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U.S. JACLEAN, INC./ Michael Kogure氏
アメリカのビジネスは、今
- 2018年8月6日
今、アメリカのビジネスシーンはどうなっているのだろう?
困難をどう乗り越えたのか。成功の鍵はどこにあるのか。
キーパーソンに、アメリカでのビジネスのヒントを聞いた。
健康関連商品の輸入販売を手がけるU.S. JACLEAN, INC.のMichael Kogure氏に話を聞いた。
ビジネスの内容
弊社は美容と健康をテーマとした商品の企画・製造をし、米国内での卸売販売を行っております。フェイスケア用品のような小物からマッサージチェアーといった大型の商品まで取り扱っています。36年前にカリフォルニア州ガーデナ市で創業し、現在は全米に支店が7箇所、130人ほどの従業員がおります。
アメリカでの創業
好景気に沸くバブル時代、私は日本の船会社を退社し、アメリカにやって来ました。景気の後押しもあり、当時からロサンゼルスには多くの日本人がいたと思います。創業当初は自宅のガレージにデスクを構えてスタートし、商品を抱えてドアツードアで店舗を回り、それらを取り扱ってくれるお店を探しました。その頃は今のようにグーグルマップなどがない時代でしたから、地図に印をつけて一軒一軒訪問していきました。大変でしたが徐々に商品を置いていただける店舗も増え、ビジネスが拡大していきました。
市場をつくる
近年の弊社の主力商品はマッサージチェアーです。日本育ちの方にはマッサージチェアーは珍しいものではありませんが、30年前に弊社が日本から輸入しだした頃のアメリカにはマッサージチェアーという概念がなく、「椅子の背もたれに動くボールがついているこれは一体なんだ!」と、奇異な目で見られていました(笑)。ですから、トレードショーへ出展してバイヤーに体験してもらったり、消費者向けのショーや各地のフェアに参加したりしてその市場を作るところからスタートしたんです。現在も全米各地のトレードショーやフェアに参加しており、多い時は月に10箇所以上のイベントに参加しています。また、近年は取引のあるSam’s Clubなどの大手量販店の催事などで、実際に消費者の皆さんに体験していただき、認知度を上げていっています。
日米の違い
日本人同士であれば暗黙の了解で分かり合える部分もありますが、多人種・多文化のアメリカでのビジネスはそうではありません。そうした環境の中、一人でビジネスをしていくのは一筋縄ではいかないため、私は分かり合える仲間と一緒にこのアメリカ市場に立ち向かってきました。考え方の異なる人々の中で一人で孤立してしまうと、上手く運営して いくことができないですからね。多文化社会でのビジネスでは、信頼できる仲間を見つけて協力し合っていくことが重要ではないでしょうか。
米国進出のアドバイス
現地の文化に溶け込んで、市場に合ったやり方をしていくことが大切ですね。米国マーケットをターゲットに正面から売り込んで簡単に受け入れられるかというと難しい面がありますよね。背伸びや無理をせず、 やりやすいところからスタートしていくこと。弊社は日系やアジア系という理解のある市場から徐々にビジネスを広げていったので、それが波及し米系のお客様にもご利用いただけるようになりましたね。もう一つは、現場に足を運ぶこと。すぐには結果に結びつかなくても、様々なチャンスに出くわしたり、お 客さんから紹介をしていただいたり。オンラインでのビジネスが主流である時代だからこそ、現場に足を運んで対話することが大切ですよね。
今後の展望
小売りの市場が全体的にオンラインに移行し、卸売販売の市場が縮小しているのは確かですので、弊社としてもその変化に対応するため直営店の展開やオンラインによる小売市場への参入など、会社の体制を徐々に整えているところです。しかし、すべてがオンライン中心にならないよう、店頭販売とのバランスを保つことを心がけています。時代の流れやニーズに敏感になりつつも、現状のお客様のことを考えながら良い商品を提供していきたいですね。
■電話:(310) 538-2298
■住所:1816 W 135th St, Gardena, CA 90249
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