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日本で住む家を探す(3)
文&写真/蓑田透(Text and photo by Toru Minoda)
- 2018年8月13日
日本帰国時の住居探しのポイントを3回に分けて紹介しています。3回目の今回は、高齢者でも借りやすい国や都道府県が運営している賃貸住宅についてです。
1.各賃貸住宅の概要
こうした住宅には「UR住宅」「公社住宅」「公営住宅」と呼ばれるものがあり、国や地方自治体が運営しています。民間会社の賃貸住宅で発生する入居時の礼金、仲介料がなく、一部物件では保証人も不要であることから結構人気があり、希望してもなかなか入居できないケースもあります。
以下、住宅ごとに紹介しましょう。なお、都道府県が運営する住宅については自治体ごとに一部制度が異なりますが、ここでは東京都のケースを紹介します。
国(UR都市機構)が運営する、一般の人を対象とした賃貸住宅です。民間の住宅・不動産会社で提供されるような広くて新しい一般の物件が多く、家賃も世間の相場と同等になります。全国にあります。公社住宅
都道府県が運営する一般の人を対象とした賃貸住宅です。物件のタイプとしてはUR住宅と同様になります。公営住宅
都道府県が運営する低所得者、高齢者、障害者などの生活にやや困難な状況にある人を対象とした賃貸住宅です。申し込みに際しては所得や障害の状況など審査があります。家賃は安いですが、やや狭くて古い物件が多くなっています。
多くの方がこうした住宅の存在は知っていても、入居条件など詳しい情報はあまり知られていません。そのため「高齢者や単身者は入居できない」「収入条件があって申し込めない」「古くて狭い物件しかない」といったイメージがあるかもしれませんが、そのようなことはなく、一部の制限はあるものの誰でも入居はできます。以下に各住宅の特長を表にまとめました。
2.注意事項
1)日本国内居住要件
いずれの物件も、入居条件として日本国内居住者である事が求められます。言い換えると、日本に居住している人でなければ入居の申し込みができないということです。したがって、日本への帰国後の住居として申し込む場合、一旦日本国内で住所登録手続きを行い、住民票を取得する必要があります。ただし、日本国内の居住期間に制限はなく、短期間でも問題ないため、帰国後一時的に親族や知人宅に住むことで対応可能です(公営住宅の単身者については日本国内居住期間が3年必要となります)。
2)入居応募方法とスケジュール
新築時に新規募集する物件以外の既存の賃貸住宅物件については、空きが生じた際に応募可能となります(先着順)。そのため、日本帰国時のタイミングにうまく応募可能な物件があるかどうか分かりません。したがって、帰国検討段階からウェブサイトで物件の募集情報をチェックしておくのがよいでしょう。
手続きの流れですが、いい物件が見つかったらインターネットまたは電話で申し込み(仮押さえ)を行います。そして申し込みから3週間以内に賃貸契約を締結します。家賃はこの契約締結時から発生します。また契約締結時から、UR住宅では1カ月以内、公社住宅では50日以内に入居しなければなりません(多少の交渉余地あり)。なお、公営住宅については入居中の物件を早い時期から募集、抽選をかけるので、入居まで半年から1年くらいかかります。
3.入居(申し込み)のご相談
これらの賃貸住宅については、運営団体や都道府県ごとにより手続きや入居資格が一部異なり、事前の確認が必要です。また帰国前から申込書類の入手、提出書類の手配など、準備作業も必要です。
ただ、米国からではなかなかスムーズにいかないかもしれません。帰国後の住民票登録や申し込み手続きのスケジュール管理などが必要となるためです。また米国籍取得者については在留資格取得申請手続きや、そのための時間も必要となります。
当事務所ではそうした部分を含め、帰国者向けに手続きに関するご相談、代行、候補物件探しなどの支援サービスを行っております。ご自身での手続きが難しいと感じたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。
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