女性リーダーシップシリーズ①:「Vulnerability」

皆さまは3月8日が何の日だかご存じですか?

この日は「国際女性デー」という日で、1904年3月8日に起きたニューヨークでの婦人参政権を求めたデモを起源に始まりました。その後、1975年に国連が「女性の権利と世界平和をめざす日」として、正式に「国際女性デー」と制定し、今日に至っています。

そんな「国際女性デー」にちなみ、今月から数回にわたって、女性リーダーシップに関するシリーズを始めたいと思います。第1回となる今回のキーワードは「Vulnerability」です。

Vulnerabilityは、日本語に直訳すると「弱み」とか「傷つきやすいこと」という言葉に置き換えられます。一見リーダーシップとは真逆の意味に見えますよね? ではなぜ、このVulnerabilityが女性リーダーシップのキーワードとなるのでしょうか。

実は最近の組織論研究では、今の時代のリーダーとしては、野心的で競争心があり、統制的に指揮を取るタイプの人よりも、よい聞き役となってチームメンバーに寄り添いながら、協調性を重んじつつリードしていくタイプの方が評価される……という結果が出ているそうです。

肩肘を張って完璧なリーダーを目指すよりも、分からないことは分からないと言い、間違えた時は「すみません、自分はミスをしました」と正直にVulnerabilityを見せられるリーダー。そんな人が、これからは求められているのです。しかもこの資質は、男性よりも女性のほうが生物学的・本能的に持っているとのこと! 私たち女性にとっては朗報ですね。

なぜ、本来なら一番しっかりしているべきリーダーが、弱さを見せることで評価されるのでしょう。それは、真実を言い合える安心感を抱く時、メンバーの間に繋がりができるからです。繋がりができると、その信頼関係を元に率直な意見交換が発生し、チーム自体のパフォーマンスが向上していく……これを、組織論上ではVulnerability Loopと呼んでいるそうです。

では、私たちはどのようにしてVulnerabilityを表現できるのでしょう。実際に私が体験したお話をご紹介したいと思います。

私は社内での女性社員の活躍を支援するダイバーシティ推奨チームの実行委員なのですが、その活動の一環として、先日「女性社員によるパネルディスカッション」を主催する業務を任されました。これは社内初のイベント。どんな人をパネリストに選ぶべきかと考えた結果、社内の女性幹部4名にその役目をお願いすることにしました。

今回選んだのは、女性のVice PresidentやSenior Directorといった、そうそうたるラインナップの人たち。普通なら役職名を聞いただけで「一体どれだけ華やかな成功の道を辿ってきたんだろう」と考えてしまいそうですが、あえて私は一人ひとりに「現職に就くまでの紆余曲折や失敗談などを話してほしい」と依頼しました。4名とも、快く引き受けてくれました。

さて、パネルディスカッションの当日。一体どんな話をしてくれるのだろう……とドキドキ。その4名は、みな正直に自分の体験談を話してくれました。

一人は、黒人女性として小さい頃から差別的ともいわれる扱いを受けながらも頑張ってきた話。もう一人は、当時の上司に「女性マネージャーって、正直どう扱ったらいいのか分からない」と面と向かって言われた話。またもう一人は、男性エンジニアしかいない部署でたった一人の女性エンジニアとしてチームをリードしなければならず、数々の皮肉や陰口を言われた話など……。

一人ひとりの話がとてもリアルでした。イベント終了時には、拍手がやみませんでした。今まで雲の上の存在のように思っていた女性幹部も、大変な経験をしながら今日まで頑張ってきたんだな……ということを手に取るように感じました。そんな彼女たちに親近感を覚えるとともに、同じ女性社員の一人として、誇りを持って頑張ろう!と心に思いました。

もしあなたが、「リーダーは、常に自信に満ちあふれた振る舞いをしていないと認められない」と思っていたら、ちょっと考え直してみませんか? 完璧でなくてもいいのです。分からないことは分からないと言っていい。全てがスムーズにいかなくてもいい。自分らしいリーダーシップを目指していきましょう!

参考サイト:
https://happywoman.online/festa/iwd/
http://www.jawe2011.jp/cgi/keyword/keyword.cgi?num=n000116&mode=detail&catlist=1&onlist=1&shlist=1
http://news.livedoor.com/article/detail/13854960/

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北村祐子 (Yuko Kitamura)

北村祐子 (Yuko Kitamura)

ライタープロフィール

在米21年。津田塾大学を卒業後に渡米し、ルイジアナ大学でMBAを取得後、テキサス州ダラスにある現在の会社で勤務すること18年目。ディレクターとして半導体関係の部品サプライチェーン業務に関わるかたわら、アメリカで働く日本人女性を応援しようと日々模索中。モットーは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」。

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