〔シンガポール〕世界初の心疾患診断装置開発へ、熊本大が契約

アジア発の有効なビジネス情報を手軽にキャッチ!

ウエアラブル超音波センサーを使った検査を実演する研究チーム=20日、シンガポール西部(NNA撮影)

熊本大学は20日、シンガポール国立心臓センター(NHCS)と国立技術高等専門学校のニーアン・ポリテクニックと自動心疾患診断システム(AHDS)の開発で共同研究契約を結んだ。接触面に柔軟性を備え身体に着脱可能なウエアラブル超音波センサーで、心筋梗塞など心臓・血管系の疾患を検査できる世界初のシステムを開発する。5年後の商用化を目指す。

熊本大学は共同研究のうち、超音波センサーを開発する。近距離無線通信規格「ブルートゥース」を活用し、心臓の動きを無線で検査できるようにする。工場や水道管工事などで広く活用されている、対象物を傷つけずに品質や安全性を調査できる非破壊検査の技術を医療分野で応用する。研究には数億円を投じる。

ニーアン・ポリテクニックは、人工知能(AI)を利用して心電図および超音波エコーの波形を解析するアルゴリズム(計算手法)を作成する役割を担う。NHCSはシンガポール国内の病院で臨床研究を実施する。ニーアン・ポリテクニックのラジェンドラ・アチャリヤ博士によると、高齢化の進行に伴い、心疾患の予防や治療に対するニーズが拡大しているという。

熊本大学大学院先端科学研究部の小林牧子准教授と山川俊貴准教授、田邉将之助教はNNAに対し、「向こう5年以内に、AHDSの商用化を目指している」と明らかにした。商用化した場合には、日本やアジアの新興国向けの販売を計画しているほか、肝臓など他の臓器の検査でも利用できるように改良を進めていく方針も示した。

今月26日には、今回開発の契約を結んだ超音波センサーを、非破壊検査や医療などさまざまな分野で社会実装することを目的としたベンチャー企業キャスト(CAST)を熊本市に設立する。

熊本大学は2018年8月、ニーアン・ポリテクニックと提携することで覚書を交わしていた。今回の契約締結で、本格的にAHDSの開発を共同で進めることに合意した。

これまでに海外では、台湾の台北科技大学(北科大)とも非破壊検査などの研究で協力してきた。

情報提供:株式会社NNA

アジア13カ国の拠点から、毎日300本の記事を有料で配信。現地の生きた経済・ビジネス情報を日々、素早く手軽にキャッチできる。現在7000社、約1万6000人のビジネスパーソンが活用。
https://www.nna.jp/corp_contents/infomation/2019/190802_nna/

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 九州より広いウッド・バッファロー国立公園には、森と湿地がどこまでも続いている ©Parc nati...
  2. 2022年12月9日

    住みたい国
    熊本県八代市の「くまモンポート八代」で 8月の終わりから9月中頃にかけて、私とニナは日本に飛...
  3. 2022年12月7日

    日常の些事
    冬の落ち葉 年齢を重ねると、だんだんと感動が薄くなるとはよくいわれる。ほとんどのことは過去に...
  4. 2022年12月6日

    美酒と器
    酒器の種類 酒器にはさまざまな素材、形のものが存在する。適切な器を選ばないとお酒本来...
  5. 契約上のトラブル 広範囲にわたる法律問題を扱う弊社にはさまざまなお問い合わせがありま...
  6. この号が出る頃、私とニナは日本での3週間の滞在を終えてアメリカに戻っているはずだ。ニナにと...
  7. 2022年10月7日

    森英恵の反骨精神
    裏庭の蝶 ファッションが好きな女性はたくさんいるだろう。私もその一人だ。休日の気晴らしは以前...
  8. およそ2000人の作業員により、6年間で建設されたリドー運河 カナダの首都オタワと、5大湖の...
ページ上部へ戻る