〔カンボジア〕ナッツ加工工場、日系再生エネ企業が検討

アジア発の有効なビジネス情報を手軽にキャッチ!

トッププランニングJAPANの村山代表(左)は、カンボジアのベイン・サコン農水相と会談した(カンボジア農水省提供)

建設事業や再生可能エネルギー事業を展開するトッププランニングJAPAN(東京都中央区)は、カンボジアでカシューナッツの加工工場の建設に向けた事業化調査を進めている。同社が手掛けるバイオマス(生物資源)発電の燃料として、カシューナッツの殻から圧搾したカシュー油を活用したい考え。カシューナッツの生産量が豊富なカンボジアで、製品の高付加価値化を支援する。

同社の担当者が6日、NNAに明らかにしたところによると、国際協力機構(JICA)の中小企業支援事業として、現在カンボジアで事業化調査を進めている。期間は今年8月から来年6月まで。カシューナッツの生産面積が約6万ヘクタールに及ぶ中部コンポントム州など4州を対象とする。

同社は再生可能エネルギー事業の一つとしてバイオマス発電を検討しており、パーム油の代替燃料としてカシュー油の活用を検討。他の事業でつながりがあったカンボジアで調査を開始したところ、カシューナッツの生産量が豊富なことが分かった。

ただ、カンボジアで生産されるカシューナッツの大半は、ベトナムに原材料として輸出されている。カンボジア国内に加工技術やノウハウの蓄積がないことから、カンボジア農水省はトッププランニングJAPANに日本の技術を活用したカシューナッツ加工工場の建設を依頼。同社はこれまでカシューナッツの加工事業の実績はないが、建設事業で培った熱加工処理技術などのノウハウを生かしたい考えだ。

クメール・タイムズ(電子版)によると、先月にはトッププランニングJAPANの村山哲生代表取締役が、カンボジアのベイン・サコン農水相と会談。村山代表はカンボジアでのカシューナッツ加工事業の実現に向け、カンボジア政府に支援を求めた。ベイン・サコン農水相は同社の計画を歓迎した上で、農水省として支援していく考えを表明した。

同省によると、今年1〜9月のカンボジアのカシューナッツ輸出量は16万9458トン。ベトナムやロシア、韓国、中国、インドなど11カ国・地域に輸出した。カンボジア政府は「産業開発政策(IDP)」で、2025年までに輸出品全体の12%を農産物加工品として出荷する計画を打ち出している。

情報提供:株式会社NNA

アジア13カ国の拠点から、毎日300本の記事を有料で配信。現地の生きた経済・ビジネス情報を日々、素早く手軽にキャッチできる。現在7000社、約1万6000人のビジネスパーソンが活用。
https://www.nna.jp/corp_contents/infomation/2019/190802_nna/

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 日本では、何においても横並びが良しとされる。小学校への進学時の年齢は決まっているし、学校を...
  2. Water lily 今年は年頭から気にかかっている心配事があった。私は小心なうえに、何事も...
  3. 峡谷に位置するヴァウリアル滝の、春から夏にかけて豪快に水が流れ落ちる美しい光景は必見。島には約16...
  4. 2024年6月3日

    生成AI活用術
    2024年、生成AIのトレンドは? 2017年に発表された「Transformer」...
  5. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  6. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  7. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  8. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
ページ上部へ戻る