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Howdy Y’all !!!
文/山田由美(Text by Yumi Yamada)(テキサス州)
- 2019年11月11日
日本では台風19号が猛威を振るい、いたる所で河川の決壊・氾濫が起こりました。ニュースを見ていると町の半分は水に浸かってしまっている地域もあるようでした。被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
こちらダラスでも、10月20日(日)に竜巻の被害がありました。I-35の横から東に向かって進んでいき、途中高級住宅街のあるハイランドパークの横を通ったため、かなり大きなお宅の屋根が半分飛んでいたり、高校が半壊、ダラス市にあるHome Depotがほぼ全壊する等の多大な被害が出ました。
20年ぶりの大雨と竜巻で道路横の大きな木が折れているため、道路が通れなかったり、自宅に帰ることができなかったりしています。まだ封鎖されている通りもあり、連日ポリスが出て交通整理などの対応に追われています。
今回の竜巻は本当に突然やって来た感じで、日中はお天気も良く暑いくらいでした。当日は日曜日だったこともあり、パンプキンパッチに行く家族連れを見かけました。最終日のステートフェアに行く人たちでDART(電車)も混み合っていました。例年ダラスでは、10月にステートフェアがあり、大勢の人で混み合います。10月31日がハロウィーンなのと、秋の行事を楽しむために、お天気の良い10月の週末はパンプキンパッチが混み合うのですが、この日は暑いくらいの天気で夜になってから急に天候が悪化しました。
夜8時過ぎくらいから雷が鳴ったかと思うと急に土砂降りの雨が降り始め、最初のうちは滝の内側にいるかのような勢いで外が真っ白に見えていました。雨に混ざってパリパリパリと音がしていましたので、雹も混ざっていたのかと思います。そのうち風がどんどん強くなり、TVでWeather Channel を見ているとダラス地域は竜巻警報発令中となっていました。
夜で外が暗いので竜巻が来ても見えません。知り合いで被害に遭った方が外を見ていたら、突然竜巻が見えて“どうしよう、これでは逃げられない”と思った瞬間(ほんの数秒)に、竜巻は家の横から移動していたそうです。
もしご自身が竜巻警報の出たエリアにいる場合は、本来であれば窓から外を見たりしてはいけません。竜巻がタッチダウンしなくても、近くを通るだけで物凄い勢いの風が外から吹いてきますので、窓ガラスが内側に割れてくるケースがあります。警報が出ている間は壁から離れて、家の中のガラスのない部屋(ダイハードみたいに裸足でガラスを踏んでは逃げられないため)、家の中心部のクローゼット等に避難して緊急放送をしているラジオ局をつけておく、避難用セットと靴(日本人は家の中では履いていませんが、逃げる際には必要です)を用意していつでも避難できるようにしておく必要があります。
驚いたことに、今回の竜巻被害での死者はゼロです。テキサスは過去にも竜巻被害や洪水などいろいろな災害被害がありました。でも、必ず近所の住人同士が緊急事態に助け合い、乗り越えてきました。今回も、FBや各サブディビジョンのサイトで行政や市からの警告事項をシェアしてくださる方たちがいました。このような天災から逃れることはできませんが、お互いにサポートをすることによって被害を最小限に抑えることはできます。
ここのところ、ダラスエリアは他州から移住してくる方が毎日450人(毎日の人数、毎週や毎月ではない)います。その方たちはダラスでの緊急時の様子が分からないかと思いますが、テキサン(地元民)は皆さんに災害時の過ごし方をシェアしてサポートしてくれています。今回も、もしあなたの地域が竜巻のルートにあたっていなくても、大きな木が倒れてきて停電する可能性があるため、電気が来ている間に携帯電話およびチャージャーの充電、お年寄りやこどもは家の1階に寝かす等の情報を発信してくれていました。竜巻の対策を知らない方たちには非常に大きな助けになったと思います。
私自身もクライアントのお宅の被害状況を確認に行ったり、被害に遭ったお宅に行き、家の周りの木や廃材を片付けたりと、かなりお手伝いに行きました。地球温暖化の加速により、今までにも増して天災は訪れるかと思いますが、常に前向きに対応していけるテキサンでいたいと思います。
ちなみに私が冒頭で「Howdy Y’all!!!」と書いたのは、テキサン(テキサス地元民)が言う「Hello, Everybody!」もしくは「How do you do? Everybody?」のテキサス訛りです。「Y’ALL Come Back」と最後に言うことも多いのですが、こちらは皆さん、ぜひテキサスに帰って来てくださいねという意味です。
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