〔シンガポール〕三井住友海上らの連合、デジタル銀行免許申請

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シンガポールの投資会社V3グループが率い、三井住友海上火災保険などが参加するコンソーシアム(企業連合)「ビヨンド(BEYOND)」は、同国のデジタル銀行のフルバンク免許の取得を申請した。現地の約7割を占める中小企業に対し、保険商品を含む金融サービスを提供していく考えだ。

V3グループはシンガポール人実業家ロン・シム氏が率いる投資会社で、健康関連機器のオシム、高級紅茶ブランド「TWGティー」などを傘下に持つ。

コンソーシアムにはV3グループや三井住友海上火災保険の現地法人のほか、不動産開発大手ファー・イースト・オーガニゼーション、経済団体のシンガポール事業連盟(SBF)、交通系ICカードのEZリンク、政府系投資会社テマセク傘下のヘリコニア・キャピタル・マネジメントが参画。計6社・団体で構成されている。

これまでに明らかになっている中で、日系企業がデジタル銀行の免許申請に参画したのは、三井住友海上火災保険が初めて。既存の銀行だけでなく、今後はデジタル銀行の存在感が増すと見込んでいることから、コンソーシアムへの参加を決めた。

同社の広報担当者はNNAの取材に対し、「アジアで個人や中小企業向けの保険販売をするに当たり、バンカシュアランス(銀行による保険販売)は非常に効果的な販売チャンネル」と指摘。デジタル銀行を革新的な保険商品を販売する実験場とし、デジタルビジネス拡大に生かすのが狙いと説明した。

デジタル銀行とは実店舗を持たないオンライン専業の銀行。シンガポール金融管理庁(MAS)は最大2者に金融サービス全般を認めるフルバンク、最大3者に中小企業など向けのホールセール・バンク(法人向け銀行)の営業免許を付与する方針。免許申請を昨年末まで受け付けていた。

フルバンクの免許はこのほか、配車サービス大手グラブと通信最大手シンガポール・テレコムのコンソーシアム、ゲーム周辺機器のレイザーが率いるコンソーシアムの2者が申請した。

ホールセール・バンク免許には、少なくとも5者が申請したことが明らかになっている。

情報提供:株式会社NNA

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