新型コロナウイルス(COVID-19)で需要増加中のオンライン会議サービスを比較してみた

「なぜ」このツール、この方法、このタイミング?など、オンラインビジネスやデザインの世界を一歩踏み込んで考えます。

こんにちは、GraphnetworkのGenです。新型コロナウィルス(COVID-19)による影響でリモートワークが推進されてきましたね。自宅で作業する際にZoomをはじめとしたオンラインミーティングサービスはもはや在宅ワークに必須ではないでしょうか。

今回はそれぞれ4つのオンライン会議サービスをピックアップして、メリット・デメリットをまとめてみました。

次のサービスを使いやすさ、機能、セキュリティ、プランの4つの軸から比較しました(4/17/2020時点)。

 

 

Zoom

新型コロナウィルスを背景に爆発的なユーザー増加をしているZoom。2億人ものユーザーが現在使用しているといわれています。2011年にランチされたサービスで、シリコンバレー発祥のユニコーン企業になります。シンプルなインターフェイスと他のサービスにはないユニークな機能で有名になりました。

使いやすさ
Zoomアプリをダウンロードすれば即ミーティングに参加できます。ホストとしてミーティングのIDを設定することによって、ミーティングに参加できるURLが発行されます。

Zoomをあらかじめダウンロードしていなくても、このURLからアプリのダウンロード→会議参加とスピーディにストレスなく会議に参加できます。

また、数あるオンライン会議サービスでもアカウントの作成が必要ない(ホスト除く)という手軽さも、ここまで支持される理由のひとつではないでしょうか。

特徴的な機能
録画機能(クラウド共有)や画面共有から、PCのリモートコントロールまで可能です。個人的には、コーディングで分からない部分をZoom越しに直接操作してもらえるのが大変便利でした。

また、バーチャル背景によって部屋を映さないことで、プライバシーの保護になり、話しやすい空間を作り出します。美肌機能は女性の方にも人気で、あったら良いなと思う機能をZoomは率先して取り入れている印象がありました。

【美肌機能】 設定>ビデオ>マイビデオ>外見を補正するにチェック

セキュリティ
“Zoombombing”というプライバシー問題が最近メディアで大きく取り上げられました。
許可されてない第三者が会議に突如参加し、不適切な画像やチャットを投下するというハッキングのことを意味しています。

しかし、現在はホスト承認がないとルームに入れないように対策したりと、アップデートを進めています。ユーザー数が一気に増えたことで、今まで見えなかった部分が浮き彫りになってきていますが、対策をしっかりと行っているので気をつければ問題ないかと思われます。

プラン

https://zoom.us/pricing

無料で手軽にミーティングができるのが売りのZoomですが、3人以上の場合は40分の制限がつきます(40分後に再接続すれば、再度40分使用可能です)。プロ以上ですとクラウド機能が追加され、時間制限がなくなることでよりフレキシブルに使えます。

ほとんどの企業では、このプロプランで十分なのではないでしょうか。セキュリティのために個別URLを設定したり、ブランディングのためにインターフェイスをよりオリジナルな見た目にしたりしたい場合はビジネスプランをおすすめします。企業プランは、大人数の参加者や分析が必要な場合、おすすめです。

サブスクリプション型を採用しており、月2000円からとリーズナブルな料金設定になっております。

Microsoft Teams

Microsoft社内でも使われているTeams。Teamsを使用することで作業を効率化し、週休3日制を実現したことは大きなニュースにもなりました。Office 365との親和性は抜群で、個人的にはSlack + Zoomのようなアプリという感触でした。主に、社内での綿密な連携作業に適しているのではないでしょうか。

使いやすさ
Microsoft Office 365を導入されている方は、アプリをダウンロードしてすぐに使用が可能です。Office 365を持っていない方でもゲストアカウントとして招待可能です。しかし、Microsoftアカウントへの登録が必須になるので、少し手間がかかる印象がありました。ゲストアカウントではブラウザ・アプリの好きな方からオンラインミーティングに参加可能です。

また機能制限があるものの、無料版のTeamsもあるので試すと良いかもしれません。まだ発展途上ということもあり、今後の展開に注目です。

代表的な機能
他のサービスに比べて、オンライン会議・ファイルの共有・共同編集・プロジェクト管理を一元管理できることが大きな魅力ではないでしょうか。チャットやビデオ会議でコミュニケーションをとりながら、そのままWordやExcel、Power PointといったOfficeアプリを使った共同作業ができるのは魅力的です。

しかし、社内では画面レイアウトの変更やカメラのon・offが分かりづらいなど、インターフェイスの面で取っつきづらさがあるという意見がありました。

セキュリティ
大手であるZoomに対して、Microsoftはセキュリティが万全であることをアピールしています。オンライン会議に第三者が乱入できないように、参加する前にホストが許可を出すように設定したり、チャットをAIを使用して監視したりすることで、不適切な発言を防ぎます。また利用デバイスやIPアドレスなどによるアクセス制限や二段階認証など、大企業でも安心して使えるようにセキュリティを徹底している印象がありました。

プラン

https://products.office.com/ja-jp/compare-all-microsoft-office-products?activetab=tab:primaryr2

Microsoft teamsのみではなくOffice WordやExcelもセットになっていると考えると、お得なサブスクリプションではないでしょうか。

Google Meet

Google Meetは、G Suiteのユーザーであれば利用できるweb会議サービスになります。Googleアカウントと紐付けされたサービスで、G Suiteのユーザーのみがホストになることができます。PC版であれば、Webブラウザーでのビデオ会議が可能で、アプリなどをダウンロードする必要がないのが特徴的です。実はZoomもWebブラウザーでビデオ会議は可能ですが、Meetに比べて、設定などが分かりづらい印象がありました。

使いやすさ
会議に参加するのみであれば、G Suiteのユーザーでなくても参加が可能です。会議室を開くユーザー以外は Google アカウントを持っている必要がなく、すぐに参加できるので敷居は低いかもしれません。また、Googleの他のサービスとの相性も良く、Googleカレンダーからダイレクトに会議予定を作成可能です。

代表的な機能
録画した動画をGoogleドライブに保存したり、Googleカレンダーからダイレクトに会議予定を作成したりなど、Googleのサービスとの連携が強力です。ZoomやMicrosoft teamsのようなバーチャル背景機能はありませんが、Snap Cameraなどのアプリを使用することでカバーできます。

セキュリティ
常にセキュリティに関するアップデートを怠らないGoogleなので、安心感があります。たとえば、招待用のURLは長さ 10 文字で 25 種類の文字からなるコードを使用したり、外部の参加者が 15 分以上前のビデオ会議に参加することを制限したりして、ハッキング攻撃のリスクを減らしています。

プラン

https://gsuite.google.co.jp/intl/ja/pricing.html

Google Suiteを契約することで、ストレージや各Googleのアプリが使用できるのでお得ですね。
上位機能が9月30日まで無償で利用できますので、ぜひこの機会にお試しになってみてはいかがでしょうか。各プランで、会議に参加できる人数と録画機能の有無が主な違いです。会議に参加できる人数は、BasicとBusinessプランは25人で、Enterpriseプランは50人までとなります。録画機能はEnterpriseプランのみ利用可能です。

Discord

Discordは、元々はゲーム専用のオンラインチャットツールです。ゲーマーのために作られたチャット&ビデオツールだけあって、ゲームの邪魔にならないように、UIやパフォーマンスの速さに重点を置いており、会議ツールとしても注目されつつあります。

使いやすさ
アプリをダウンロードして会員登録することで、ほとんどの機能が無料で使用できるのがポイントです。大きいファイルを送る必要がない場合や、HD以上の画質を求めない場合は、とてもリーズナブルなのではないでしょうか。会員登録なしでも、一時会員としてユーザーネームのみの登録でビデオ通話が可能です。この手間のなさはストレスフリーですね。

代表的な機能
とにかく動作も早く、直感的に操作できるUIは、他のサービスに負けず劣らずだと思います。プラグインを導入できるのも良い点で、バックグランドで音楽を流したり、リアクションのエフェクトを追加したりすることも可能です。

セキュリティ
注意したいのは、サーバーに入ることが可能な人はどのトークにも参加してチャット内容を見ることができるということです。Discordはある程度ローカライズして日本語化されていますが、ヘルプやFAQなどは日本語版が充実していません。Discordのチャンネルでプライバシーな会話はできないことに注意が必要です。

 

 

いかがでしたでしょうか。webex、Skype、Wherebyのようなオンライン会議のサービスは他にもあるので、時間があればまた紹介させていただきたいと思います。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

重岩 元(Gen Kasaneiwa)

重岩 元(Gen Kasaneiwa)

ライタープロフィール

株式会社グラフネットワーク、ロサンゼルス支社所属のデザイナー。2015年に渡米。カリフォルニア大学バークレー校で、アートとデザインを通して動画制作、ゲーム制作、AR、VR、WebVR、3Dプリントや3Dモデリングなどのテクノロジーを積極的に学ぶ。卒業後の現在は日米のWeb制作業務、アプリ開発、グラフィックデザイン全般を手がける。新潟県出身。

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  2. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  3. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  4. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
  5. 私たちは習慣や文化の違いから思わぬトラブルに巻き込まれることがあり、当事務所も多種多様なお...
  6. カナダの大西洋側、ニューファンドランド島の北端に位置するランス·オー·メドー国定史跡は、ヴァイキン...
  7. 2023年12月8日

    アドベンチャー
    山の中の野花 今、私たちは歴史上経験したことのないチャレンジに遭遇している。一つは地球温暖化...
  8. 2023年12月6日

    再度、留学のススメ
    名古屋駅でホストファミリーと涙の別れ(写真提供:名古屋市) 以前に、たとえ短期であっても海外...
ページ上部へ戻る