テレワークでゴシップが減る?

あっという間にもう6月。1年の半分が過ぎ去っていきますね。新型コロナウィルスの影響で、私の住むテキサス州ダラスでは、外出禁止令が解除された今でも継続してテレワークを進めている会社が大半のようです。3月からのテレワーク、一体いつまで続くのか……。

さすがにここまでテレワーク続きだと、皆それなりにだんだんコツをつかんできたようです。TV会議やチャットでの会話、クラウドシステムを使った情報シェアなど、さまざまなデジタルツールを駆使して日々の仕事がたんたんと進んでいるよう。もはやオフィスなんていらない?といった、オフィス不要論さえもちらほら耳にするほどです。私はアナログな人間なので、やはり人と人が会って会話するのが一番だと思っているのですが、そういった意見を持つ人たちも今後少しずつ変わっていくのかもしれません。先日出席したオンラインセミナーで、「企業のデジタル・トランスフォーメーションを実行できるのはCEOでもCIOでもなくCOVID-19だ」というメッセージを聞いて、なるほど言い得て妙だなと思わざるを得ませんでした。

巷でよく聞くのが、「テレワークだと社内のコミュニケーションが疎かになるのでは」といった懸念の声。実は私もテレワークを始める前はそう思っていたのですが、実際にしてみると、実はそんなこともないと思えてきました。何しろ日々の会議や仕事のフォローなどで、チームメンバーとは結局ほぼ毎日会話を交わすことになります。業務も普通に進められていますし、特に大きな支障は感じません。社外の方々(顧客・サプライヤーなど)とのコミュニケーションは、テレワーク以前から電話会議が主流なので、特に何が変わったわけでもなく今までどおりに進んでいます。よって、「テレワーク=コミュニケーションが疎かになる」という図式には必ずしもならないと私は思います。

ただ、こういったデジタルツールベースでのコミュニケーションは、良いか悪いかは別として、基本的に非常にドライです。用件を話し終わったら、「じゃあまたね」とブチッと切ってハイ終了。余韻も何もありません。以前、事務所内で会議をしていた頃は、ミーティングが終わった後でも会議室にちょっと残って世間話をしたり、アジェンダとは関係ないことを話したりという時間があったのですが、今ではそれがありません。そういった他愛ないおしゃべりから入手できる情報もなかなか侮れないことが多いのですが、今ではその機会がなくなってしまったので、ちょっと寂しいなと思います。

一方で、そういったオフレコ会話の場がなくなったことにより、ゴシップが少なくなった気がします。通常ゴシップ的な会話が生まれるのは、そういった会議後のふとした空白時間や、喫煙室やランチタイムなどのカジュアルでリラックスした時が多いかと思うのですが、テレワークの環境ではそういった「余り時間」が発生しません。わざわざ「ねえねえ聞いてよ」とゴシップするためにTV会議を設定するわけでもないし、チャットメッセージでゴシップ情報をシェアしようものなら、全部記録に残ってしまいます。チャットに限らず、デジタルツール下では何がいつ録音・録画されているかわかりません。よって必然的に、記録に残したくないようなオフレコ会話が減っていっている気がします。これはいい傾向?なんでしょうね。

テレワークになってから、社内のコミュニケーションがとてもデジタルになりました。0か1か、白か黒か。とてもクリアではありますが、でもたまにはグレーもいいんじゃない?とも思います。一見不要と思われるような余り時間からも、生み出される何かはあると思うのです。

いずれこの新型コロナ・パンデミックが一段落して新しい日常が始まった時に、これからの仕事スタイルはどう変わっていくのでしょうか。テレワークと出社の良い点をそれぞれ生かした、新たなハイブリッド・アプローチが生まれてくるのかも? 今からとても楽しみです。

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北村祐子 (Yuko Kitamura)

北村祐子 (Yuko Kitamura)

ライタープロフィール

在米23年。津田塾大学を卒業後に渡米し、ルイジアナ大学でMBAを取得後、テキサス州ダラスにある現在の会社で勤務すること20年目。ディレクターとして半導体関係の部品サプライチェーン業務に関わるかたわら、アメリカで働く日本人女性を応援しようと日々模索中。モットーは、「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」。

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