編集部が選ぶ 
この夏行きたい国立公園 6選

ソーシャルディスタンスを保ちながらもバケーションを思いっきり楽しみたい。国立公園は、そんな想いを実現させてくれる旅先だ。非日常へと誘い、地球の偉大なエネルギーを体感できる場所。さあ、大自然が君を待っている!

No.1
グレイシャー国立公園
Glacier National Park

モンタナ州

氷河が創り上げた彫刻

北米大陸の西部、カナダとアメリカの国境をまたいで連なる雄大な山岳地帯は、世界に名だたるロッキー山脈。この南北に伸びる山脈のちょうど中間時点に位置するのが、モンタナ州北西部のグレイシャー国立公園だ。急峻な山々や深緑に覆われた渓谷、豊富な水源が織りなす美しい滝や湖など、さまざまな表情を見せてくれる。

グレイシャーとは氷河のこと。積雪と雪溶けを繰り返し、何千年もかけて密度が高くなった分厚い氷の塊は、自身の重みによってゆっくりと大地を流動していく。そうした氷河の活動は長い年月をかけてこの大地を削り、変化に富んだアメリカ屈指の壮大な地形を生み出した。公園内には今も活動を続ける氷河が存在するが、その数は年々と減ってきている。地球温暖化の影響で、世界各地の氷河が溶けて消えつつあるのだ。地球の環境と生態系を保つ役割を担っている氷河を今後維持できるかどうかは、私たち人間の手にかかっている。

およそ100万エーカーもの広大なグレイシャー国立公園には、175の山、762の湖、563の川、26の氷河があり、その間を縫うように158ものハイキングトレイルが敷かれている。公園は年間オープンしており、6〜8月はハイシーズン。この季節になると山々には色とりどりの花が咲き誇り、景色が一層華やかになる。春・秋・冬のオフシーズンには閉鎖されてしまうエリアもあるが、野生動物を目撃するチャンスが高まるこの時期にあえて訪れる人も多い。Logan Passでは、のんびりと草を食むマウンテンゴートや集団で移動するビッグホーンシープの姿がよく見られる。運が良ければ、ムースやグリズリー、オオカミ、ハクトウワシなども見られるかもしれない。野生動物をしっかり見たいなら、双眼鏡の持参は必須だ。

大自然に一歩踏み入れれば、母なる大地の偉大さを全身で感じられるだろう。

 


Going-to-the-Sun Road
公園を東西に横断する舗装道路。片道2時間かかるこの道路沿いには、Lake McDonaldやLogan Pass、St. Mary Lake、氷河の展望ポイントなど、主要な見どころが点在している。深い渓谷やエメラルド色の湖など、刻々と表情を変える絶景はカメラマンにも人気。

 


Logan Pass
車で行ける公園内最高峰の地点。往復約1時間かけてHidden Lakeまで歩く人気のハイキングトレイルは、ここを起点としている。夏になると一面がワイルドフラワーの絨毯と化し、川のせせらぎや自然の声に耳を澄ませながら湖へと続く道を歩くのは至福の時間。

 


Many Glacier
歴史あるMany Glacier Hotelを中心に、周辺には湖や氷河が点在している。10以上のトレイルがあり、特におすすめしたいのがGrinnell Glacier Viewpointまで行くコース。往復5〜7時間と長時間コースだが、最終地点は氷河の目の前。まさに貴重な体験ができるコースだ。

 


Lake McDonaldとSt. Mary Lake
公園の西側に位置するLake McDonald(写真)と東側に位置するSt. Mary Lakeは公園内の2大湖。ハイキングや乗馬、ボートなど、さまざまなアクティビティで大自然を満喫しよう。良く晴れた風のない日には湖が鏡のように周囲の山々を映し、幻想的なひと時を楽しめる。

 

ひと足延ばして
Waterton Lakes National Park

カナダのウォータートン湖国立公園は、国境をまたいでグレイシャー国立公園とつながっている。1995年にはウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園として、2つの公園が世界遺産に登録された。小さな国立公園だが、息を呑むような美しい湖や連峰が広がり、湖畔にはホテルやレストラン、ギフトショップなどが並ぶ小さな町もある。グレイシャーを訪れたついでにぜひ立ち寄って欲しい。国境を越えることになるので、パスポートは必須。

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