なでしこジャパン遠藤純選手がエンジェル・シティFCへ移籍

現なでしこジャパンで活躍する遠藤純選手

なでしこジャパンの一員として活躍してきた女子サッカーの遠藤純選手が、今年からアメリカ・ロサンゼルスを拠点とする女子プロサッカークラブ「エンジェル・シティーFC」へ移籍してきた。

エンジェル・シティFCは2020年7月に創設されたばかりの、まだ新しいチームだ。共同オーナーにはハリウッド女優のナタリー・ポートマンや女子テニス選手のセリーナ・ウィリアムズ、アメリカ女子サッカー界のレジェンド、ミア・ハムなど名だたる女性陣が名を連ね、プロスポーツ界では珍しい女性主導で運営されている。

そんなエンジェル・シティへの日本人選手の移籍ということで、期待が高まっている。

2022年4月12日、遠藤選手のアウトリーチ活動をサポートしていくためパートナーシップを結んだ南カリフォルニア日米協会へ感謝の意をこめ、遠藤選手から同団体へユニフォームを贈る贈呈式が開催された。また、サイン入りのユニフォームの贈呈後にはプレス・インタビューが実施され、遠藤選手が意気込みを語った。

贈呈用ユニフォームにサインする遠藤選手
――海外に興味を持ち始めたのはいつからですか?

本格的に考え始めたのは東京オリンピックからです。フランスワールドカップの際にも海外に興味が出始めましたが、まだあまり現実味がなく、一歩踏み出せない状況でした。東京オリンピックに出場した際、イメージしていたようにはいかず、まったく思うように動けなかったんです。そんななかで、海外に挑戦してもっと力をつけて、日本を盛り上げていきたいと思うようになりました。

エンジェル・シティFCはできたばかりのチームで土台づくりの途上ではありますが、自分を必要としてくれる人を信じたい、期待に応えたいという思いで移籍を決意しました。また同チームのビジョンに共感したことも大きく、ここで頑張ってみようと思うようになりました。

――ロサンゼルスに実際に来てみてどうですか?

最初は私のことを知ってくれている人がいない状況から始まりましたが、プレーし始めてからは背番号や名前を呼んでもらえるようになり、純粋に嬉しく思っています。ロサンゼルスは日本食も豊富ですし、不自由は感じていません。

海外で活躍する日本の選手は世界中にいっぱいいて、今は自分もその立場にいることを実感しています。日本にいる時もたくさんの方々にサポートしていただいていましたが、こちらに来てからも多くの方にサポートしていただき、本当にありがたいと感じています。皆さんの期待に応えたいし、私は攻撃の選手なので、チームを勝利に導く得点を取り、しっかり結果を残していきたいと思っています。

――アメリカでのプレースタイルをどのように感じていますか?

日本と比較すると、フィジカルとスピードの違いが大きいですね。走る速度だけでなく、考えるスピードやボールを持った時のスピードが大きく異なると感じています。これまでも私はスピードを長所として勝負してきましたが、アメリカでは自分のスピードさえ遅いと感じました。

ですが、このことに早い段階で気づけたことは武器になるのではないかと思います。自分自身の軸はこれまでとぶれないようにしつつ、自分にできる最大限に挑戦し、より良い選手を目指していきたいと思っています。

――目標としている選手はいますか?

チームメイトでは、クリスティン・プレス選手です。代表としても活躍されており、彼女にはどんな状況でも決め切る力があります。そこは私自身の課題でもあるので、見習いたいと思っています。

左から、エンジェル・シティFCスポーツディレクターのエニオラ・アルコさん、日米協会会長の三好麻里さん、遠藤純選手、日米協会の佐野吉弘さん、同協会の江口文雄さん

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