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突然の日本の親の訃報、何をすればいい?〜日本の死後事務手続き〜
- 2022年8月21日
ある日突然日本の家族や親族から「親が倒れた」「亡くなった」といった連絡があったらどうしますか?またはそうした時に、海外在住の自分は何をすべきか考えたことありますでしょうか?日本に兄弟姉妹や近しい親族がいれば葬儀などの緊急の手続きはお願いできますが、もしいなければは何らかの方法で手続きが進むよう事前に準備しておく必要があります。また兄弟姉妹がいた場合でも、その後の相続などの手続きについては任せきりというわけにはいきません。そこで今回は親が亡くなった時の相続を含む必要な手続きを紹介します
1.具体的な手続き一覧
主な必要手続きと、期限、手続きの窓口を下記に一覧表にしました。
死亡後期間 | 手続き | 手続き窓口 |
---|---|---|
直後〜7日 | ①葬儀(火葬・埋葬)・関係者連絡など | |
7日以内 | ②死亡届の提出 | 市町村役場 |
14日以内 | ③年金の死亡届の提出 | 年金事務所など |
14日以内 | ④健康・介護保険資格喪失届の提出 | 市町村役場 |
14日以内 | ⑤住民票の世帯主変更届の提出 | 市町村役場 |
なるべく早期 | ⑥公共料金などの名義変更・解約 | 電話・水道・電気・ガス会社 |
3カ月以内 | ⑦相続人・財産・遺言書の有無の調査 | (必要なら専門家へ依頼) |
3カ月以内 | ⑧相続放棄(および限定承認) | 家庭裁判所 |
4カ月以内 | ⑨死亡者の準確定申告 | 税務署 |
10カ月以内 | ⑩相続税申告・納税 | 税務署 |
なるべく早期 | ⑪遺産分割(財産の名義変更など) | 法務局など |
備考)
- 上記の他にも人によって手続きが必要となります(例:医療機関や高齢者施設の料金精算、ペットの引取り、遺品の整理など)。
- 期限は原則的なものです。期限を過ぎても特に問題はありません(ただし、税金など債務に関わるものは金利や延滞金が発生しますのでご注意ください)。
- ⑨、⑩については資産総額によっては手続き不要となります。詳しくは専門家へお問い合わせください。
- 各手続きは相続人自身の他、代理人、専門(家)業者でも手続き可能です。専門業者については手続きによって資格者が異なります(弁護士、司法書士、税理士、行政書士、社会保険労務士など)。
2.海外在住者が留意しておくべきこと
- コロナ禍での来日手続き
来日が必要かどうかは人によって異なります。日本に兄弟姉妹などがいれば必要ないかもしれません。米国籍を取得した人の場合、来日に際し、現在のコロナ禍の中では日本領事館へビザ申請が必要です。事情を説明してビザ発給申請しますが、日本国籍をまだ放棄していない場合は放棄後でないと発給されない場合があります。そしてこの手続きには現在2カ月前後かかるようです。
- 相続手続き
相続手続きでは、遺産分割協議書の作成や金融機関(銀行、証券会社など)の口座解約手続きが必要となりますが、いずれも金銭に関わる大事な手続きということもあり、相続人の身分証明、本人確認作業が発生します。日本では戸籍謄本による身分証明や実印による本人確認が可能ですが、日本に住民票のない海外在住者は印鑑証明による本人確認ができません。そのためサイン証明書や宣誓供述書などの書類の提出が求められます。日本にも相続人(兄弟など)がいると共同署名(同一文書への署名)など書類の郵送または来日しての署名手続きが必要です。こうした手続きにかかる手間や時間をセーブするためにも、あらかじめこうした書類の入手方法を確認しておくとよいでしょう。
- 相(争)続への不安
相続時遺産分割に関わる親族間の揉め事は少なからず発生しているのが現状で、当社にもときどき相談があります。「こちら(海外)の目の届かないことを良いことに親の面倒を見ている兄弟姉妹が親のお金を使い込んでいるようだ」という一方で、「自分は長年海外居住で、親の面倒をみてもらっている兄弟姉妹に負い目があり主張がしづらい」という状況に悩んでいるというものです。結論からいえば、相続人全員で協議する機会を設け主張すべきは主張したほうが良いのですが、そのためにはみずからも日本の相続に関する知識を習得する、必要に応じて相談可能な相続に詳しい専門家を日本側に見つけておくとよいでしょう。なお、相続といえば弁護士や司法書士の専門家のイメージがあるようですが、実際に争議が発生したような深刻な状況でなければ、費用の手軽な電話相談(法テラスなど)や相続に強いFP(フィナンシャルプランナー)からでも適切なアドバイスをもらえます。
いかがでしょうか?時間的制約のあるこうした手続きは、発生してからあわてて対応してもうまくことは進みません。事前に準備しておくことをおすすめします。
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