アメリカ生活お役立ちBook
- 2022年10月3日
- 2022年10月号掲載
自動車事故と車両保険
自動車事故に遭ったら
事故に巻き込まれたり事故を起こしてしまったりした場合、自身を守るために冷静に対処し、できるだけ多くの証拠を残しておきましょう。
1.事故現場を離れない 事故の相手と情報交換をするか警察官が到着するまでは、事故現場を離れることは避けましょう。身分証明書を提示せずに事故現場を離れることは不法行為で、ひき逃げとみなされて罰金や禁固刑が科される可能性が生じます。 2.できるだけ多くの記録を残す怪我人への対応や車の移動が一段落したら、以下の記録を残しましょう。
•事故に関わったすべての車のナンバープレート、車種、色、年式
•車や建物の破損部分と関係者全員の身体上の怪我
•道路状況や事故現場の様子。周辺に防犯カメラが設置されていないか確認
事故現場を写真に収めておくと、保険会社・弁護士の状況判断や、後日先方から不当なクレームを受けた際の的確な反論に役立ちます。安全性の問題などで撮影が難しい場合は、なるべく早く現場に戻って記録しましょう。事故後数日経過した写真であっても、弁護士が現場の様子を把握するためには有効です。警察からはレポート番号をもらいましょう。
3.事故当事者や目撃者と連絡先を交換する相手の運転免許証、保険証、レジストレーションカードの提示を求め、写真を撮るか書き留めておきます。相手に過失がある場合でも自分の連絡先も相手に渡します。また目撃者の確保は非常に重要です。目撃者がいる場合には必ず連絡先を控えましょう。
4.交通事故専門の弁護士に連絡する交通事故専門の弁護士に相談し、損害賠償請求が可能かどうかについてアドバイスを受けましょう。損害賠償は治療費や減収以外に精神的苦痛などの目に見えない損害に対しても請求可能です。弁護士に交渉を依頼することで、保険会社からの迅速かつ満足のいく示談金の提示に繋がることは珍しくありません。
被害者として交通事故に遭った時の対処法
怪我をしたらなるべく早く治療を受け、診察のたびに写真を撮るように依頼して詳細な記録を残しましょう。症状や痛みを具体的に文書や写真に残すなど、証拠が多いほど適切な補償に繋げることができます。交通事故専門の弁護士に病院を紹介してもらうことも可能です。
加害者として交通事故に遭った時の対処法
事故現場で過失を認める発言をしないことは重要です。謝罪と取られる発言をするとすべての非がこちらにあると認めたという誤解を招き、保険会社から妥当な金額の補償を受けることが難しくなります。事故の相手との会話は最小限にし、経緯や原因を話し合うことは避けましょう。
入っておくべき自動車保険プラン
UM補償とUIM補償UM補償(Uninsured Motor Vehicle)またはUIM補償(Under Insured Motor Vehicle)とは、加害者側が保険に未加入もしくは加入していても補償金額が十分でない場合に、被害者が自身の保険会社から保険金を支払ってもらう補償です。
自動車保険への加入はアメリカのほとんどの州法で義務付けられていますが、無保険者や州法で定められた最低限度額しか加入していない人も多くいます。そのような相手の過失による交通事故に巻き込まれた場合、相手の保険会社から支払われる補償では不十分で、治療費や休業補償、弁護士費用などが自己負担となる可能性が生じます。自動車保険の加入者が自身を守るための対人対物保険を付加し、十分な額の補償に加入しておくことがとても重要です。
アンブレラ保険交通事故の加害者となり賠償責任を負い、その額が自動車保険で補償できる額を上回った場合、アンブレラ保険が補償をします。たとえば自動車保険の補償額の上限が30万ドルの場合、それを上回る額の支払いが発生したとしても、超過分はアンブレラ保険によって支払われます。
どのような場合にせよ、事故による怪我が生じた場合には保険会社から提示される補償額をすぐには受け入れず、無料相談などを利用して経験豊かな弁護士の意見を聞くことが重要です。
取材協力Kimura London & White LLP
木村ジョシュア
https://japanesespeakingattorney.com
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