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アメリカ不動産市場

ニューヨーク不動産

不動産市場

賃貸物件の在庫がほぼゼロになり家賃が激高したこと、モーゲージの金利が上がる前の駆け込み需要が多かったことが要因となり、2021年の夏以降は急速に売り手市場となりました。提示価格を上回る金額で売れる状況が続き、NYCのマンハッタン区、ブルックリン区では物件の取り合いとなりました。クイーンズ区は比較的需給バランスが安定していましたが、物件の値段が上がりジェントリフィケーションが一番進んだエリアといえます。今年の7月以降は通常の市場に戻り、現在は売り手と買い手のバランスが取れた状態です。

今後の動向と狙い目のエリア

8月にCOMPASS社が実施したアンケート(約800名のエージェントが回答)によると、今年秋以降のNYCの不動産市場は4%が上がる、65%が現状維持、35%が下がるとの予想を回答しました。在宅ワークの普及の影響で居住場所はあまり重要ではなくなり、人気のエリアには明確な色分けがなくなった印象です。マンハッタン区に関してはグラマシー、ウェストビレッジ、アッパーウェストがエリアとして人気です。予算を重視するのであれば、マンハッタン以外の区(ブルックリン、クイーンズ、スタッテンアイランド)は圧倒的に購入後の維持費(Common Charge、Property Tax)が安くお買い得です。

マンハッタン区のMarket Pulse。Market Pulseが高いほど売り手市場を示している

昨今の住宅選びのトレンドとしては、これまで不動産の鉄則であったロケーションよりも「改装済み」を求める声が多いようです。資材不足、機器不足、労働者不足でちょっとした改装にも数カ月から1年以上かかるため、“Renovated/Move-in Ready”の物件が圧倒的に好まれます。

NYCの住宅物件は7割以上がコープ、残り3割がコンドミニアム・賃貸専用アパートという割合です。コープは古いビルが多く、コンドミニアムに比べて2、3割安く購入できます。ただし、コープは基本的にメインの居住用物件としての利用しか認められておらず、賃貸目的の購入はできません。一方、コンドミニアムは購入時の制限が少なく、賃貸にも出しやすいのが特徴です。購入後の維持費を支払うことができると証明さえすれば外国人や外国居住者も購入できるので、投資目的にはコンドミニアムがおすすめです。

購入時の注意点

物件の購入を検討する際は、購入価格だけでなく購入後の維持費も確認しましょう。モーゲージを受けられる物件かどうかも大切です。Owner Occupancy Rateが低すぎる場合や商業スペースと建物を共有している場合、銀行によっては融資してもらえないケースがあります。また、NYCは海沿いのエリアに海抜ゼロの地域があるので、Flood Area Map等で浸水のリスクも事前に調べましょう。

購入手続きを進めるうえで1番大切なのはスピードです。気に入った物件があれば、オファーを入れる前に必要な情報や資料をあらかじめ揃えておくことをおすすめします。具体的には、銀行からのPre-Approval Letter、不動産弁護士の確保、手付金の準備です。ただ希望購入価格を伝えるだけでなく、すぐに動けて入居審査にもスムーズに対応できるバイヤーだと売り手に思わせることが重要です。なお、改装されていない、景観が悪いといった理由で値下げを交渉するバイヤーはセラーを不快にさせるだけで、値下げの材料にはならないので注意しましょう。

取材協力
COMPASS
柏原知子
https://www.compass.com

ダラス不動産

不動産市場

コロナ禍でローンのパーセンテージが下がったこと、リモートワークが普及して郊外での物件購入者が激増したことが要因となり、2020・2021年は物件価格が高騰しました。実際の物件価格よりもかなり高め(5万~10万ドル)にオファーを入れてもなかなか通らず、物件購入ができない状況でした。販売数に比べて購入希望者が多く、他州からの移住で物件を購入できなかった方たちが賃貸物件を借りる状況だったため、賃貸物件マーケットも高騰しました。

地域別に見ると、学校区が良く人気が高いプレイノでは投資家の購入物件が多いほか、築年数が古い家はフルリノベーションして賃貸物件としてマーケットに出される傾向が高いようです。2017年にトヨタ自動車北米本社がこの地に移転、同じ時期にJPMorgan Chase が移転して来たこともあり、人口増加に伴い物件販売数が伸びました。フリスコでは2016年にフットボールチームDallas Cowboysのスタジアム(The Ford Center)が完成しました。周辺にはレストランやバーが建ち並び、人の集まる観光名所として人口が増加しています。さらに、今年8月に全米プロゴルフ協会の本部が移転して来たことで新築のサブディビジョン物件が増えました。落ち着いた町並みのマッキニーは、プレイノやフリスコへのアクセスが良好な高級住宅街です。現在は北へ向かっての開発が進んでおり、新築の一軒家やタウンハウスの建築が急ピッチで進んでいます。

今後の動向と狙い目のエリア

アメリカではGDPが2期連続マイナスになり、経済学的には景気後退、結果としてリセッションと位置づけられそうです。一方で失業率は3.5%(2022年7月現在)とコロナ前の水準に戻っています。2023年にかけて不動産の販売物件数は増えていきますが、金利が上がったことにより売り手市場から買い手市場にシフトしていくと考えられるので、販売価格はやや下がることが予想されます。ただ、住宅不足は解消されず、長期的に見ると物件価格は右肩上がりになるでしょう。

ダラス近郊ではフリスコとマッキニーが相変わらず人気です。フリスコよりも北に位置するプロスパーもプレイノの通勤圏内で新築が増えています。住みやすさ重視でおすすめしたいのが、町なかで生活のすべてが完結できるオーブリーという町です。最近は新しい学校が次々と建てられており、物件価格も手頃で隠れた狙い目エリアです。

購入時の注意点

まずは購入目的によって希望のエリアを決めましょう。学校区に重点を置くなら許容範囲の通学時間、リモートワークをするなら自宅にオフィス用の部屋が必要かなど、一人ずつ条件が異なります。希望エリアが決まったら実際に車で走ってみて、町の雰囲気やこどもが安心して遊べる環境かどうかを確認しましょう。過去の災害履歴を調べることも大切です。物件の種類は家族構成によって選びましょう。夫婦2人暮らしならタウンハウス、こどもがいる家族であれば平家の一軒家、または2階建てで子供部屋はすべて2階にするなどが考えられます。一度家族会議を開いて、優先順位を紙に書き出すのも良いでしょう。

物件購入時は希望価格やローンの支払額など細かいことをリアルターと相談し、条件に合った物件を内覧して絞り込みます。スムーズな物件購入のコツは、オファーを入れたらすぐに対応できるよう事前に必要な書類を準備しておくことです。また、購入時にはInspection Report・Foundation Inspection費用や Tax、Survey、入居前の修理など、物件費用以外に支払いが発生します。直前にローン金額の変更があるとクロージングに間に合わない可能性もあるので、マネープランをきちんと立てておくことも大切です。

取材協力
EXP Realty, LLC
山田由美
https://www.yuhadreamhomes.com

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