米国自動車協会(AAA)は、先進運転支援システム(ADAS)に関する最新調査結果を発表した。ADASは一部の運転操作を支援するが、ドライバーはADASに関する適切な知識(メンタルモデルと呼ばれる)を持たない可能性があり、特にエッジケース(極端な状況)など車載システムの能力を超える状況でこの技術の使い方を誤ったり、不信感を抱いたりする可能性があるという。
AAAのプレスリリースによると、過去の研究では、メンタルモデルはADASが関係する運転状況を経験することで改善される可能性が示されており、今回の調査では、さまざまな数および種類のエッジケースが、車間距離制御(ACC)システムに対するドライバーの理解、信頼、作業負荷に与える影響、およびACC使用を経験した後のシステム使用状況を調べた。
対象のドライバーは、定型的な事象だけを経験する「通常グループ」と、定型的な事象に加えてまれなACC関連のエッジケースも経験する「強化グループ」に分けられ、それぞれ4回実験に参加した。この結果、ドライバーのACCに対する理解は、経験を積み、システムに触れる機会が増えるにつれて向上し、どちらのグループのドライバーもメンタルモデルのスコアは、1回目から4回目の実験まで上がり続けた。このことから、ADASを使って安全に運転するためには経験と慣れが重要であることが分かる。
注目すべきは、「強化グループ」の方が「通常グループ」よりも高い理解度を示したという点で、まれなエッジケース事象がシステムの限界に関する豊富な情報をドライバーに提供し、それが知識の向上につながった可能性がある。
グループ間の差は、最初の実験の終了時から確認できた。このことは、まれな事象と日常的な事象に触れることで、システムを経験したばかりのドライバーのメンタルモデルの発達が早まる可能性があることを示している。「通常グループ」は、「強化グループ」が1回目の実験終了後に示したシステム理解度と同じ水準に達するのに4回目の実験までかかったという。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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