信号「進め」でも安心するな〜NY市の歩行者事故分析
- 2013年4月26日
- アメリカ発ニュース
ニューヨーク市で歩行者が自動車事故に遭う場合、横断歩道を渡っている時が多く、しかも信号は「進め」の場合が多いという分析結果が発表された。大都市では信号に従っても、正しい場所を横断しても安全ではないらしい。
ニューヨーク・タイムズによると、分析を行ったのはニューヨーク大学ランゴン医療センターの医療・研究チーム。2008年12月〜11年6月に市内のベルビュー病院で治療を受けた歩行者とサイクリスト1400人以上を対象に調べた結果、最も事故が多かったのはマンハッタン区とブルックリン区西部で、歩行者では信号に従って横断歩道を渡っていた人が多かった。
また、体格の目安となるボディマス指数(BMI)が標準以上の人はそうでない人に比べて軽いけがで済んでいた。一般的に、太った人は病院で治療を受けた後の経過が良くない傾向にあるが、事故の発生時には厚い脂肪が身が守っている可能性がある。
18歳以上の患者では、歩行者の15%、サイクリストの11%が事故に遭う前にアルコールを飲んでいた。歩行者やサイクリストの飲酒は自動車ドライバーの飲酒ほど注目されないが、市の交通計画責任者マシュー・ロウ氏は「調査結果は今後の検討に値するかも知れない」と話した。
歩行者とサイクリストの約8%は、携帯電話や音楽プレイヤーなど電子機器を使っている時に負傷しており、7〜17歳に限定するとこの数字は歩行者で10%超、サイクリストでは約30%に跳ね上がった。
サイクリストがぶつかる相手はタクシーが多く、全体の約40%を占め、歩行者の25%を大幅に上回った。サイクリストの80%以上は車道を走っていたが、ヘルメット着用者は3分の1以下だった。
平日の時間帯としては、歩行者の約60%が午前9時〜午後6時に事故に遭っており、交通量の多い時間帯と重なっていたが、サイクリストの事故は、正午〜午後3時および午後6時〜午前零時という食事の配達が増える時間帯が多かった。
調査結果は、外科専門誌Journal of Trauma and Acute Care Surgeryに掲載された。
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