就職面接中に電話で世間話〜Y世代は常識欠く?

 企業の人事担当者を対象とする最新調査で、1980年代以降に生まれたミレニアル世代(Y世代)は就職面接の心構えができておらず、非常識な行動が多いという指摘が相次いでいる。

 USAトゥデイによると、現在18〜34歳の就職年齢に達したY世代は、面接の最中でも電話を受けたりテキスト受送信をする、不適切な服装で面接にやってくる、俗語やくだけた言葉を使う…といった言動が目立つ。特に3年程前からは5人に1人の割合で非常識な行動が見られるといい、自ら就職の機会を逃したり採用決定を遅らせたりする事態につながっている。

 人材派遣大手マンパワー・グループのマラ・スワン副社長は「テキスティング、スマホ、ソーシャル・メディアが当たり前の気楽な環境で育ったためか、面接が自己を売り込む場だということを分かっていない」と指摘する。若者の多くは気楽なツイートやテキストに慣れすぎて社交というものを知らず、親からは「ありのままでいいのよ」「やりたいことをやりなさい」と育てられているとの批判もある。

 この結果、ヨーク大学(ペンシルベニア州)の調査では、「大学卒業後1年目の社員は社会人と呼べない」と答えた企業の人事責任者が2012年の40%から13年はほぼ50%まで増えた。また、人事サービス企業のHRポリシー・アソシエーションは、初めて就職活動をする人のために面接の受け方、履歴書の書き方、職場での行動などについて助言するウェブサイト(jobipedia.org)を運営している。

 包装材・ラベル製造大手エイブリー・デニソンの研究・開発(R&D)部門の管理職を求めて面接を受けた大学院生の場合、面接が始まって15分ほどしたころスマートフォンが鳴り、電話に出てそのまま急ぎの用件でもないのに1分ほど話を続けたという。同社の採用責任者ジョナサン・シーゲル氏は「あれが許されると考える人は、ほかにどんなことを適切と思うか分からない」とあきれている。

 ほかにも、工場で材料を管理する仕事に応募した20代後半の男性が、人材派遣会社での面接に父親を連れてきたり、保険会社シグナが新卒学生に営業部門での採用を持ちかけたところ、父親が給与交渉の電話をかけてきた例もある。衣料販売のアメリカン・イーグルでは、仕入れ担当者の面接に猫を連れてきた女子学生がいた。この学生は猫の入ったかごを机の上に置き、面接中も時々猫と遊んでいたという。

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