移民はメディケアに大貢献〜過去10年で1150億ドル
- 2013年6月5日
- アメリカ発ニュース
国内の移民が過去10年間に高齢者医療保険制度(メディケア)の信託基金に納めた金額は、引き出した額より1152億ドル多かったという調査結果をハーバード大学が発表した。米国籍を持たない人々がメディケア財政に大きく貢献していることになり、移民制度改革の議論に影響しそうだ。
ブルームバーグ・ニュースによると、調査は2002年から09年を対象に行われ、09年の場合、米国籍保持者は納入額より引出額の方が309億ドル多かったのに対し、移民は納入額の方が138億ドル多かった。調査報告書は医療関連の専門誌ヘルス・アフェアーズに掲載された。
移民制度改革をめぐる議論では、移民が医療制度の財源を枯渇させているという通説が争点の1つとなっているが、今回の調査結果は通説を揺るがす内容と言える。
報告書は「移民がメディケア基金に余剰をもたらしている第1の理由は、彼らの大部分が生産年齢の成人であること。同グループは労働力参加率が高く、従って給与税収への貢献度も高い」と説明しながら、「移民を制限する政策は、メディケアの財源を激減させる恐れがある」と指摘した。
消費者団体パブリック・シチズンの医療研究部会によると、10年は移民の3分の1が医療保険に加入せず、中でも市民権を持たない移民に無保険者が多かった。同部会のシドニー・ウォルフ代表は「これはメディケアに年間100億ドルを超える余剰をもたらしているのと同じ人々なのに、保険がないとは不名誉なことだ」と述べた。
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