人や資産の損害も対象に〜AIGのサイバー保険

 保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)はこのほど、サイバー保険の補償対象を資産の損害や身体的傷害まで広げると発表した。

 CNNマネーによると、AIGの業務責任部門を統括するトレイシー・グレラ氏は、「サイバー攻撃がもたらす危険は、現在一般的なサイバー保険が補償する情報流出の懸念をはるかに上回る。資産や人に対するサイバー攻撃および事故の物理的危険性はとても現実的」と語った。

 専門家はこれまで、病院の心拍モニターや道路の信号、家庭用保安システム、スキー場のゴンドラなどの管理システムに情報保護機能がないのは問題だと指摘してきた。発電所や浄水場、ダムといった重要な基盤設備もコンピュータで稼動しており、その大半がインターネットからアクセスできる。

 最大の実例として、米国政府がウイルス「スタックスネット(Stuxnet)」を使ってイランのコンピュータにサイバー攻撃を仕掛け、核施設でウランを濃縮する遠心分離機を使用不能に陥れたことが挙げられる。

 日常生活で言えば、自動車では1台当たり平均50個以上のマイクロプロセサーが使われている。最近の調査では車もパソコンと同様にハッキングが可能であることが報告されている。

 ポネモン研究所の2013年の報告書によると、企業の31%がサイバー保険に加入しており、39%が加入を予定している。テロ対策を司る連邦機関の国土安全保障省ですら、サイバー保険購入を検討している。

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