非営利団体のオンラブ、ONOSを提供へ 〜 1社の通信機器への依存を解消
- 2014年11月7日
- ハイテク情報
非営利団体のオープン・ネットワーキンブ・ラブ(ON.Lab=The Open Networking Lab、以下オンラブ)は、コンピュータ間のデータ・フロー管理を支援するソフトウェア「SDNオープン・ネットワーク・オペレーティング・システム(SDN Open Network Operating System=SDN ONOS)」を提供する計画を明らかにした。
データ・センターに導入されるサーバー・システムは、どこの企業から購入しても似たような製品であることが多い。しかし、通信網を接続するルーターや交換機分野で汎用機器が使用されることはまれで、シスコ・システムズ(Cisco Systems)のような大手が市場を独占する。
ONOS構想は、そういった状況を変えようとするものだ。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ONOSの開発は、AT&TやNTTコミュニケーションズ、インテルといった大手から資金および技術支援を受けて進められている。
ONOSの当面の標的は通信サービス会社(キャリヤー)だが、ONOSはオープン・ソース・ライセンス下で無料提供されることから、今後はほかの業界でも採用が進む可能性がある。
キャリヤーの多くは、シスコやジュニパー・ネットワークス(Juniper Networks)といった通信機器大手から機器を調達している。
そういった慣行は通信システムの信頼性を確保しやすいという利点がある一方で、他社製機器への切り替えが難しいという欠点も指摘される。
オンラブは、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)開発者とスタンフォード大学、そしてカリフォルニア大学バークリー校の研究者が設立した。
オンラブによると、リナックス(Linux)を基盤に開発されたONOSは、汎用機器を制御するほか、顧客企業の既存機器管理を支援する。企業によって、汎用機器はブランド製品よりも設定が簡単で安価に入手できる。
また、キャリヤーはONOSを使うことによって、独自サービス向けソフトウェア開発を簡便化できる。
シスコもSDN対応を進めており、その一環として、法人顧客による通信網設定を柔軟化するアプリケーション本位インフラストラクチャー(ACI=application-centric infrastructure)構想を立ち上げたほか、オンラブの親組織を含むさまざまのオープン・ソース構想を支援している。
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