最新の世界スーパーコンピュータ・トップ500番付けをみると、スーパーコンピュータの開発は最近、パフォーマンスの強化よりもエネルギー効率の向上に重点が移行していることがうかがえる。
最新の順位では、中国の天河二号(Tianhe-2)が毎秒33.86ペタフロップ(1秒あたり1000兆回の浮動小数点演算)で6期(1期は半年)連続で首位を維持した。
トップ500は、米国とドイツのスーパーコンピュータ専門家らによって年に2回発表される。11月16日に発表された今回の番付けは46回目。
コンピュータワールドによると、同番付けの関係者らは、スーパーコンピュータのパフォーマンスという観点では成長が鈍化している代わりに、多くの開発元が、「1ワットあたりのフロップ数(flops/watt)」という概念での計測に重点を置き始めている、と指摘する。
エネルギー効率でみると、NECが東京工業大学のために2年前に開発した「つばめKFC/DL」が首位で、その演算効率は1ワットあたり4.86ギガフロップ(1秒あたり10億回の浮動小数点演算)。2位から7位までは中国勢が独占した。
高エネルギー効率上位7つのスーパーコンピュータのすべては、インテル・ジーオンE5(Intel Xeon E5)とエヌビディア(Nvidia)のテスラ(Tesla)を搭載している。
トップ500に番付けされた米国製システムの数は、前回(7月版)番付けでの231から201に減少し、欧州のシステムも141から107に減った。その代わり、37から109に激増させた中国が欧州を抜いた。
日本の最高位は京(K)の4位で前回と変わらず。天河二号の演算速度は毎秒3京3862兆回(京は1兆の1万倍)で、京の1京0510兆回の約3.2倍。上位500に入った日本製システムの数は36だった。
トップ500番付け最新版の全順位は「http://www.top500.org/list/2015/11/」に掲載されている。
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