シリーズアメリカ再発見㉙
冬は砂漠で遊べ! ランチョ・ミラージュ編

文&写真/佐藤美玲(Text and photos by Mirei Sato)

アメリカの大半が寒さと雪に耐えている今、真冬こそ、砂漠で遊びたくなる。太陽と心の安らぎを補給しに、ランチョ・ミラージュへ出かけよう!(*注:情報は掲載誌発行時点のものです)

 

Photo © Mirei Sato

リッツ・カールトンの眺め
Photo © Mirei Sato

 ロサンゼルスから東へ、車で約2時間。抜けるような青空とパームツリーに囲まれた、ランチョ・ミラージュに到着する。寒冷地から来た人なら、文字通り、蜃気楼か幻影の街に降りたように感じるだろう。

 ランチョ・ミラージュは、「砂漠のビバリーヒルズ」の異名をもつ。すぐ西隣りはパームスプリングスで、知名度では負けるものの、地元の人に言わせれば、「パームスプリングスがロサンゼルスだとしたら、ここはそのビバリーヒルズにあたる」。高級感のランクが違うよ、ということらしい。

 ここに2014年5月、「リッツ・カールトン」がオープンした。高台の上にあり、パームスプリングス一帯と、サンヤシント山、コーチェラバレーが見渡せる。

 開放感にあふれたロビーは、ドラマチックなエントランスを演出。ほかのリッツではなかなか見られない、リラックスした雰囲気だ。

 20世紀半ば、パームスプリングス周辺は、「デザート・モダニズム」と呼ばれる建築スタイルで一世を風靡した。ガラスを多用し、自然光をできるだけ採り入れ、インドア/アウトドアの境目がない。家の中にいながら、山や空と一体になった感覚で暮らせるのが特徴だ。リッツもその伝統を守っている。

 テラスを見渡すダイニング「State Fare Bar & Kitchen」は、地産地消がモットー。コーチェラバレー周辺や南カリフォルニアの太平洋沿岸の農家らと提携して食材を仕入れている。

 自慢のカクテルは、「スパークリング・ローズマリー・レモネード・パンチ」。アルコールは使っていない。

 ランチョ・ミラージュ周辺の住人は、引退してもアクティブなシニアが多い。薬を服用している人や飲酒は止められている人でも、楽しく美味しくハッピーアワーに浸れるように、との気配りが人気を呼んでいるそうだ。

 ロサンゼルスやオレンジ郡から、ちょっと足を伸ばして休日を楽しむ人たちも多い。
 

The Ritz-Carlton, Rancho Mirage
68900 Frank Sinatra Drive, Rancho Mirage, CA
760-321-8282
www.RitzCarlton.com/RanchoMirage

全244室。ゴルフコースとスパがあり、ハイキングやパーソナルトレーナーによるフィットネスなどのプログラムもある。

 


 

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