環境対応建物推進団体のワールド・グリーン建物評議会(WGBC)は、環境と健康に配慮したグリーン建物が実在店舗に好影響を与えると結論付ける調査結果を報告した。
グリーンビズ誌によると、WGBCの調査では、「グリーン建物」について、環境配慮だけでなく、その場にいる人たちの健康や快適さも向上させる設計と定義している。
報告書では、環境配慮を実践した結果、顧客満足度を高めた事例がいくつも紹介されている。たとえば、英国の衣料小売店マークス&スペンサーは2011年に、自社店舗のなかでもっとも多くの環境配慮を施した設計の店を開店したところ、利益率と顧客満足度を高めることに成功した。
同店舗では、自然光を最大限に採り入れ、LED照明を設置して照明電力消費量を20%削減したほか、雨水をためて水道使用量を30%削減し、駐車場に電気自動車充電設備を設置し、さらに、公共交通機関の利用を促すためにリアルタイムの運行情報を表示した。
その結果、店舗運営コストは下がり、同社の全店舗のなかで顧客満足度がもっとも高い店の一つになった。
また、金融機関PNCファイナンシャル・サービシズ・グループの494支店を対象とした2012年の調査によると、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)認定を取得した52店舗は、それ以外の442店舗と比べて個人預金口座の開設数が多く、預金額も高かった。
「持続可能性の取り組みに対するもっとも多い批判の一つが、『高くつく割に価値をもたらさない』、あるいは『業績改善への利点が明らかでない』というものだ」と報告書は指摘する。しかし、そういった見方が先入観による誤認であることが今回の調査結果によって裏付けされた。
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