【リポート】「アフター杉原:小辻節三のユダヤ難民救済」講演会

2019年3月27日、ロサンゼルス寛容博物館で、ナチスの恐怖からユダヤ難民を救った日本人・小辻節三に関するイベントが開催された。同イベントは、在ロサンゼルス日本国総領事館およびユダヤ系団体のサイモンウィーゼンタール・センター、日米文化会館(JACCC)の共催によるもの。

日本のシンドラーと呼ばれた外交官・杉原千畝が「命のビザ」を発行し、約6000人ものユダヤ難民が日本に逃れるためのサポートをしたことは広く知られている。しかし、彼らに許された日本の滞在期間はわずか10日間。窮地に追い込まれたユダヤ難民たちのために、命を賭して救いの手を差し伸べたのが、日本人のヘブライ語学者・小辻節三だった。

同イベントでは、小辻節三がなぜ、どのようにしてユダヤ難民たちを安全な地へと導いたのかを、紐解いていった。登壇したのは、ノートルダム清心女子大学で教授を務める広瀬佳司さんと、俳優の山田純大さん。また、第二次世界大戦中に日本へ逃れてきたユダヤ難民の音楽家たちをテーマにした、平田真希子博士によるピアノ演奏も披露された。

杉原千畝と小辻節三が成し遂げた偉業を解説する広瀬佳司教授

小辻節三の娘さんとも繋がりのあった山田純大さん

広瀬佳司教授は『知られざる日本人救助者-小辻節三』『笑いとユーモアのユダヤ文学』『ホロコーストとユーモア精神』の著者であり、日本ユダヤ系作家研究会の会長でもある。彼の講演では、杉原千畝の来歴とユダヤ難民を日本へ送り出した経緯から始まり、小辻節三の来歴、日本へ渡ったユダヤ難民をどのような手段で救助したのか、まさに命を賭して難民救済に臨んだ彼の人生について詳細に語られた。

山田純大さんは、NHK連続テレビ小説『あぐり』をはじめ、『水戸黄門』『半沢直樹』などへの出演で知られる。彼は学生時代に映画『シンドラーのリスト』を観た後、日本にもシンドラーと呼ばれる人物(杉原千畝)が存在することを知った。そして、ビザを発行して送り出した杉原に対して、日本側でレシーバーとして難民を救助した人物がいるはずだと考え、小辻節三の存在へとたどり着いたのだそう。講演では、山田さんが2013年に『命のビザを繋いだ男 小辻節三とユダヤ難民』(NHK出版)の出版に至るまでの経緯や出会った人々など、貴重な経験が語られた。

会場では、来場者が興味深い講演に聞き入り、最後のQ&Aでは活発な質疑応答が行われた。

和気あいあいと質疑応答を楽しむ様子

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