次の人気の食べ物は昆虫? 〜 食料不足にらみ業者は期待
- 2016年6月14日
- アメリカ発ニュース
将来的な食料確保の必要や動物を人道的に扱いたい意識の高まりを受けて、一部地域に限定されていた虫を食べる習慣が今後は西側諸国や先進国にも広がると見られている。イナゴの粉で作ったパンケーキやゴミムシダマシの幼虫(ミールワーム)を詰めたファラフェルなどが普通の食事として受け入れられる日も遠くないかもしれない。
ロイター通信によると、今や世界中で愛されるようになった日本のすしも、外国人に受け入れられなかった時期がある。昆虫食の栄養面や環境的な利点の啓発に取り組む市民団体リトル・ハーズ(Little Herds、本部テキサス州)のロバート・アレン代表は「すしが一般に定着するのに30〜40年かかったが、あまりおいしくもないケールは5年で広まった」と話し、昆虫食ブームの到来を予測する。ミシガン州のウェイン州立大学では先月、国内初の業界会合も開かれ、アレン氏を含む約150人の関係者がいかにこの新興業界を成長させるかといった主題で意見を交わした。
2013年の国連報告によると、アリやカブトムシの幼虫を食べるアフリカの部族や、よく揚げたイナゴを食べるタイ人など、世界では約20億人が2000種類近くの昆虫を日常的に食べている。人口が今のペースで増え続ければ、50年までにはほぼ2倍の食料が必要になり、今は虫を食べることを心理的に受け付けない人々も見方を変える必要がでてくる。
昆虫を原料に肉、酪農品、卵の代用品を作っているカナダ・トロントのシーフ・フーズ(C-fu Foods)はこのほど、「ワン・ホップ・キッチン(One Hop Kitchen)」のブランドでミールワームやイナゴを牛肉代わりに使った2種類の昆虫ボロネーズ・パスタ・ソースを発売した。各地の食品展示会で行った試食では、違和感を抱く消費者はほとんどいなかったという。
虫の育成はそれほど多くの土地、水、餌を必要としないため、温室効果ガス(GHG)やアンモニアの排出量を低く抑えられる上、昆虫には大豆などの従来の肉の代用品や一部の肉よりも高いタンパク質が含まれる。ただし野生の虫は有害物質で汚染されている恐れがあるため、連邦食品医薬品局(FDA)は、食用の昆虫は人間にとって安全に飼育するよう求めている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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