大統領選の候補者が相次いで環太平洋連携協定(TPP)反対を表明、残り任期約7カ月となったオバマ大統領が「遺産」と位置付ける通商政策に逆風が吹いている。欧州では、米・欧州連合(EU)間の自由貿易協定(FTA)に積極的だった英国がEU離脱を決定。米主導の協定を軸に影響力を維持するというオバマ氏のシナリオが変更を迫られる可能性もある。
「経済統合は既に成し遂げられた。貿易協定から離脱しても格差は解消しない」。29日、訪問先のカナダで記者会見したオバマ氏は、雇用を奪うなどとして協定に反対する声が国内外で上がっている現状を問われ、語気を強めた。
だが孤立主義の風圧は強まるばかりだ。共和党の候補指名が確定したトランプ氏は28日の演説で「米製造業の致命傷になる協定」とTPPからの離脱を宣言した。(共同)
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