トヨタ自動車とマツダが16億ドルを投じて建設する新しい米国工場の誘致競争で、ミシガン州は労働者に組合への加入を強要しない労働権(RTW)法を成立させたことで選ばれる可能性が高いと期待している。
デトロイト・フリー・プレスによると、トヨタとマツダは2017年8月初め、約4000人を雇用する組立工場を米国に建設すると発表した。ただし場所は明らかにしておらず、全米の地域経済開発担当者や州知事が公式、非公式に誘致活動を行っている。
両社は同時に、詳細を明かさないまま中西部、大西洋中部、南部の複数州に誘致案の提示を要請したもようで、ミシガン州経済開発公社(MEDC)によると同州もその1つ。オーティ・マッキンリー報道官は「州は少し前にこのプロジェクトに入札した。プロジェクトの詳細は不明で、提案要請を行った企業名すら知らされていない」と話した。
トヨタとマツダは有力な候補地を明らかにすることを避けており、「計画を固める過程で建設地選定に関する詳しい情報を発表する」(トヨタ)予定だ。リック・スナイダー知事は「ミシガンは車の研究・開発(R&D)分野の主導的立場にあり、合弁工場の建設地としては国内で最適の場所。技術者や専門分野の人材も豊富だ」と優位性を強調している。
ミシガンは米3大自動車メーカーの本拠地であり、組立工場も多く、ほとんどの自動車メーカーがエンジニアリング拠点を置いている。トヨタも1970年代以降、アナーバーとヨークの技術センターを継続的に拡張し、現在は1600人を雇用している。
これまでは労働組合の存在が大きな障害となって同州に組立工場を作る外国の自動車メーカーはなかったが、デトロイト地域商工会議所のグレン・スティーブンス副会頭は「これは以前ほど問題ではなくなった。今は労働権法が成立しており、一部の企業は組合と密接な関係を持っているが、組合のない会社もある」と話している。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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