ロビンフッド、IPO投資の「民主化」プラットフォームを構築中~ 自身のIPOで利用者らに直接投資の機会を提供へ

  • 2021年4月19日

20代を中心とした若い世代に株式投資の機会を開放したことで人気が出たモバイル株式投資アプリケーション新興企業ロビンフッド(Robinhood)は、新規株式公開(initial public offerings=IPOs)を「民主化」する新たなプラットフォームを構築中だ。

CNBCによると、ロビンフッドは、投資会社や富豪投資家らが享受するIPO銘柄への投資機会の一部をロビンフッド自身のIPOによって同社アプリケーション利用者に提供することをねらう。

現行のしくみでは、一般投資家らがIPO銘柄をIPO時に買えるのは、IPO銘柄の取り引きが株式市場で公式に始まってからだ。IPO株式は、実際には市場での取り引きが始まる前の段階で、投資会社や投資基金大手らに取得株式数が割り当てられ、市場での取り引きが始まるときには株価がすでに跳ね上がっている。IPOデータ会社ディーロジックによると、2020年のIPO全体ではその比率は平均36%だ。

したがって、投資大手らはIPO銘柄をIPO前に安くで買い、一般投資家らは36%も上がった株価で買わされている。その現状を打破しようというのがロビンフッドのねらいだ。

匿名希望の情報筋によると、ロビンフッドの計画では、同社自身が計画するIPOで発行する株式の大きな部分を同社のアプリケーション利用者1300万人に開放する。同社が構築中の新たなモバイル投資プラットフォームはそのためのものだ。

同社は、自社のIPOだけでなく他社のIPOでも同じ直接投資(株式市場でIPO株式を買うのではなく、IPO直前に直接買えるようにする)を可能にすることをねらっている。ただ、それを実現させるには、IPOを果たす新興企業らとの交渉と合意が必要となる。また、証券取引委員会(SEC)からの承諾を得ることも必要だ。

ロビンフッドは、IPO申請書を3月22日に提出したばかり。同社は2021年中にIPOする見込みで、ことしにおけるフィンテック新興企業のなかでもっとも注目されるIPOと位置づけられる。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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