オンライン買い物の新潮流、分割あと払いサービスの需要増 ~ Y世代とZ世代のあいだで人気上昇

  • 2021年9月2日

商品の代金を分割あと払いできるようにするオンライン買い物サービスが若い消費者らのあいだで人気上昇中だ。そのため、次世代の主要消費層である若い世代を顧客として取り込もうとねらう小売会社と小売向けフィンテック業界が活気づいている。

分割あと払いの選択肢を提供する小売会社はむかしから米国にあるが、個々の小売会社が独自に展開する形態が主流だった。しかし、小売業向けフィンテック新興企業らが同サービスをプラットフォームとして小売会社に提供する形態は近年の動きだ。若い世代の消費者がその種のサービスを使い始め、人気が高まり、昨今では、ベンチャー・キャピタル業界もその潮流に関心を寄せるようになった。

基本的には、小売サイトでの買い物時に消費者らが分割あと払いを選択できるようにするサービスとプラットフォームをフィンテック会社が小売サイトに統合する。

CNBCによると、デジタル決済ソリューションを中小事業主らに提供するスクエア(Square)は最近、アフターペイ(Afterpay)を290億ドルで買収すると発表した。6月30日時点でアフターペイには1600万人以上の利用者がおり、約10万社がアフターペイのあと払いサービスに対応して商品を販売していた。

アップル(Apple)も、アファーム・ホールディングス(Affirm Holdings)のペイブライト(PayBright)と提携して、カナダで購入されるアップル製品を対象に分割あと払いを提供する計画だと伝えられている。1月に上場したばかりのアファームは、先週末の終わり値で過去3ヵ月間の上げ幅が23%を記録した。

さらに、スウェーデン拠点のデジタル決済サービス会社クラルナ(Klarna)は、ソフトバンク(SoftBank)から6億3900万ドルの投資を6月に獲得し、企業評価額が460億ドル近くに達した。

アドビ(Adobe)の調べによると、それらのプラットフォームは、2021年の最初の2ヵ月間に前年同期比215%の成長を示した。

分割あと払いサービスの利用者の多くは、ミレニアルズ(millennials)と呼ばれる世代とZ世代(Generation Z)だ。Y世代(Generation Y)とも呼ばれるミレニアルズは、1980年代から1990年代中盤、あるいは2000年代初頭までに生まれた世代。Z世代は、1990年代中盤から2000年代中盤に生まれた人たちを指す。YおよびZ世代は、従来型のクレジット・カードで購入して高い利息を払う代わりに分割あと払いサービスを使っている。

アファームは例外だが、それらのプラットフォームの多くは、購入側には利息を課さず、売る側に手数料を課している。ただ、支払いが延滞した場合には、購入者に手数料が課される。

CNBCが取材した利用者7人のうち6人は、友人やソーシャル・メディアの影響で使うようになっていた。過半数が過去1年以内に使い始めた利用者で、それらのプラットフォームの使い勝手の良さを魅力として挙げた。

(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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