ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)と、そのほか5つのロボティクス大手らは10月6日、「汎用ロボットを武器化しない」ことを誓う公開書簡に署名した。
昨今、ロボティクスの進化と用途拡大は加速しており、世界中の多くの人たちや専門家らのあいだでは、民生ロボティクスの開発会社らが一般的ロボットを武器化する可能性に関する懸念を強めている。
NPR(National Public Radio)によると、ボストン・ダイナミクスとアジリティー・ロボティクス(Agility Robotics)、エニーボティクス(ANYbotics)、クリアパス・ロボティクス(Clearpath Robotics)、オープン・ロボティクス(Open Robotics)、ユニトゥリー(Unitree)の6社は、高性能ロボットについて、仕事や生活に大きな利益をもたらすが、「信頼できない人々がロボットを悪用して市民の権利を侵害したり、他人を脅したり、傷つけたり、威嚇したりする可能性もある」と述べた。
また、「遠隔操作や自律走行が可能で広く一般に利用され、生活や仕事の場だけでなく人間が入れない危険な場所で重要な仕事をするロボットに武器を持たせることは、新たな被害リスクと深刻な倫理問題を引き起こすことになる、とわれわれは考える」と公開書簡に書かれてある。
それら6社はさらに、「高性能の可動型汎用ロボット」やそれを機能させるソフトウェアを武器化しないことを約束し、顧客らが同6社の製品を武器化しないよう努力するとも述べた。
近年、自律移動する非製造業向けロボットが増えており、開発元が意図しない用法での実用例も複数ある。ボストン・ダイナミクスの4脚歩行(犬型)ロボット「スポット(Spot)」は、州政府や自治体の警察および消防署で採用され、危険な状況を正確かつ迅速に判断するためにすでに使われているが、同社はそれについて、監視や警官の代わりとして設計されたものではない、と説明している。
自律稼働兵器システムの使用を抑制する声は世界中で高まっている。「殺人ロボットを止めろ(Stop Killer Robots)」運動によると、100ヵ国近くとそれらの国々の過半の国民が自律稼働兵器に反対している。
しかし、2021年に開かれた国連の特定通常兵器に関する条約の会合では、米国と英国、ロシアといった自律稼働兵器開発国らの反対によって、いわゆる殺人ロボットの使用禁止を規定する合意は成立しなかった。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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