就職可能人口の2倍近くの求人数がある昨今の逼迫した人手不足のなか、外食チェーン店や小売店では必要な従業員数より少ない人数での現場運営を強いられていることから、自動化技術の導入に注力している。
インサイダー・インテリジェンス誌によると、チポートレ(Chipotle)やホワイト・キャッスル(White Castle)といったレストランまたはファスト・フード・チェーン大手らは、料理の下ごしらえをするロボットを導入し、パネラ(Panera)は、人工知能音声認識技術によるドライブスルー・サービス自動化を試験中だ。
レストラン起業家のダニー・マイヤー氏は、人工知能音声認識技術会社コンヴァースナウ(ConverseNow)に1000万ドルを投資した。コンヴァースナウのレストラン向け製品は、電話やそのほかの音声経路を介して注文処理を自動化する。
一方、イーコマース業界では、受注処理(注文履行)の過程を自動化するために人工知能技術の活用を積極化させている。リーヴァイス(Levi’s)は、オンライン受注品の発送に必要な資源を最小限化しながら効率を最大限化するためにブースト(BOOST)というシステムを開発した。同システムは、より多くのオンライン注文を実在店舗群で処理できるようにする。そのため、在庫の確保と管理が簡便化され、注文履行にかかるコストも削減できる。
ドアダッシュ(DoorDash)は、リレックス・ソリューションズ(Relex Solutions)と提携し、コンヴィニエンス・ストアー「ダッシュマート(DashMart)」の在庫計画と補充を機械学習によって最適化することに取り組んでいる。ドアダッシュは、同提携によって人工知能モデルの予想分析および需要予想を活用することで、生鮮食料品の過剰在庫を回避し、各地域の需要にもとづいて商品の選択を調整および最適化している。
そのほか、消費行動過程(customer journey)の個人化も加速している。個々の消費者の習慣や好みを人工知能によって特定または予想し、当該消費者に合致したオンライン買い物体験を提供することで、転換率(販促相手を購入者にする率)を拡大させる技術活用が盛んだ。
たとえば、ディックス・スポーティング・グッズ(Dick’s Sporting Goods)は、メトリカル(Metrical)との提携によって、消費者のカート放置を売り上げに転換させるために人工知能を使っている。カートに商品を入れたままにする消費者に対し、個人化された割り引き情報といった販促をしかけることで、カート転換率だけでなく全般的な消費者体験の向上を強化させている。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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