物流業界向け人工知能技術新興企業のゼロブローカー(Zerobroker、サンフランシスコ拠点)は、貨物輸送仲介業者の仲介手数料をなくすプラットフォームを構築したことで注目されている。
ベンチャービート誌によると、ゼロブローカーの技術は、荷主のコスト削減と物流の合理化を目指し、不透明だと批判されることの多い同業界に透明性と効率性をもたらす、と同社の創設者ジョージー・メルコニヤンCEOは説明する。
同社が構築したプラットフォームは、荷送人と運送会社を直接結びつけることで、仲介業者らが取り引きのたびに請求する20~30%の手数料を省くことができる。荷主はそれによって輸送コストを大幅に下げることができる。
同プラットフォームは人工知能を活用し、輸送料金や事務処理、支払い管理をはじめ、物流担当者らが行う反復作業の最大90%を自動化する。それと同時に、貨物の移動過程をリアルタイムで可視化し、完全な規制遵守も保証する。
「ゼロブローカーを使えば、荷送人は貨物を準備するだけで、あとはわれわれのシステムが顧客や供給業者への通知、支払いや書類作成の自動化、そのほかさまざまの雑務を実行する」とメルコニヤン氏は話した。
同社は、2022年2月のサービス開始以来、毎月50%で顧客数を増やしており、これまでのところ1社も顧客を失っていない。同社の急成長は、物流業界におけるデジタル革新の需要をあらためて明示するものだ。
ゼロブローカーはそういった急成長を背景に、シード・ラウンドの資金調達を実施し、総額650万ドルを確保したことを9月26日に明らかにした。同社はそれを原資に、技術工学班を拡大し、長期契約価格の設定といったより高度の機能を同プラットフォームに組み込む計画だ。
運送業界は一般的に技術革新が遅い分野だが、新型コロナウイルス・パンデミックによる物流網の逼迫や人員不足によって効率化の必要性に迫られた。その結果、需給(荷主と輸送業者)をオンラインで照合して成約させるプラットフォームがいくつか普及し始めた。
ゼロブローカーのプラットフォームは、データ主導の各種の機能を人工知能技術によって統合することで、仲介業者の排除と規制遵守状況の追跡を一連の過程に組み込み、さらなる自動化と合理化を可能にする。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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