CO2増加で飛行機の揺れ激しく〜2050年の大西洋便

 二酸化炭素(CO2)の排出量が増え続けると大西洋を横断する飛行機の揺れがひどくなる、との予想を英国の研究チームが発表した。

 ロイター通信によると、毎日600便が運航される北大西洋路線について、英レディング、イースト・アングリア両大学の研究者らがコンピュータ・シミュレーションを使って気候変動の影響を調べたところ、国際エネルギー機関(IEA)の予想通りCO2排出量が2050年までに倍増した場合(05年比)、乱気流による飛行機の揺れは回数で40〜170%、激しさで10〜40%高まるとの結論が出た。調査結果は気候変動問題の専門誌ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載された。

 また、激しい乱気流を避けるための迂回飛行で飛行時間が長くなり、燃料の消費量、排ガス量、発着の遅れも増えて、最終的に運賃が上がるとも予想している。

 飛行中に突然出くわす乱気流は、大気圧、ジェット気流、寒冷・温暖前線、雷雨といった気象状態が原因で、軽い場合は機体が揺れる程度で済むが、搭乗者が負傷したり機体に構造的損傷が生じたりすることもあり、関連コストは年間1億5000万ドルに上っている。

 CO2は温室効果ガス(GHG)の1つで、排出量が増えると地球の平均気温が上がり、温暖化が進むと高度約10キロメートルの大気がより不安定になる。

 航空業界はCO2排出量が最も急増する業界の1つで、新技術の導入、代替燃料、効率の改善などによって05〜50年にCO2のネット排出量を半分に減らすことを目指している。

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