カード情報の保護装置使って〜受刑者が獄中で発明

 現金自動預払機(ATM)の利用者からカード情報を盗んでいたギャング組織に協力した罪で服役しているルーマニア人の受刑者が、獄中で盗難防止装置を発明した。世界中のATMで使われることを願っているという。

 ニューヨーク・タイムズによると、ルーマニア北東部の刑務所で服役中のバレンティン・ボアンタ受刑者(33)は、ATMにカード情報を盗み取る装置(スキマー)を接続してカードを不正コピーしていた犯罪組織にスキマーの隠ぺい装置を供給した罪で有罪となり、5年の禁固刑を言い渡された。

 同受刑者は、罪を償いたい気持ちと元工業デザイン専攻学生としてのひらめきから、裁判の進行中にカード情報盗難の防止装置の発明を思い立ち、同国ブカレスト近郊に本拠を置くハイテク企業MBテレコムの協力を得て、ついに「Secure Revolving System-SRS」と呼ぶ装置を完成させた。

 SRSは、カード差し込み口がある台形をした金属の箱(全長6インチ)で、全てのATMに装着可能。通常とは違ってカードを長辺から受け取り、中で回転させる仕組みになっているため、磁気テープがスキマーに読み取られることがない。

 SRSは今年のジュネーブ国際発明品展で入賞し、特許を取得した。価格は非公表だが商用化は間近だという。

 刑期の半年が経過した現在、すりや住居侵入犯と一緒の6人部屋で服役するボアンタ受刑者は、「犯罪は麻薬のようなものだった。逮捕されたことでこのアドレナリン中毒から抜け出せた」と振り返る。ATMについては「どの機械も設計が古くなるにつれて情報盗難の危険性が増す。それが銀行の弱点だ」と話している。

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