オラクル、ハードウェア事業で初の増収 〜 ソフトウェア統合サーバーが貢献

 業務用ソフトウェア大手のオラクル(Oracle)は、2月28日締めの2014年度第3四半期決算で、ハードウェア事業が前年同期比8%増を計上したことを明らかにした。同事業が増収を記録したのは今回が初めてで、同社のハードウェア進出が3年半近くたってようやく結実し始めた。

 インベスターズ・ビジネス・デイリーによると、同期におけるオラクルのハードウェア・システム部門売上高は7億2500万ドルで、全社売上高93億ドルの8%程度を占めた。ハードウェア・システム・サポートの売上高は、前年同期比5%増の5億9800万ドルだった。

 ハードウェア事業の増収をけん引したのは、「エクサデータ(Exadata)」「エクサリティクス(Exalytics)」「エクサロジック(Exalogic)」の各サーバーに特定の業務用ソフトウェアを統合したエンジニアード・システムの販売増だ。

 キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)の業界専門家は、「エンジニアード・システムとハードウェア分野の成長は今後も続く」と予想する。

 オラクルは2010年1月に、サーバー・メーカーのサン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)を74億ドルで買収してハードウェア事業に参入したが、これまでその買収効果を出せずにきた。

 企業のハードウェア投資削減につながるクラウド・ソフトウェアやクラウド・ストレージ企業の台頭に苦戦するオラクルにとって、ハードウェア事業の成長は朗報と言える。

 調査会社IDCの業界専門家は、多種多様ハードウェアを一つのアクセス・ポイントで管理し、シームレスに運用できる統合システムに対する顧客の需要は高まっていると指摘する。

 IDCによると、サーバーの世界売上高は2013年の526億ドルから2017年には約9%増の573億ドルに達する見通し。

 2013年のサーバー市場の首位はヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)で占有率は26.9%、以下、IBM(占有率26.8%)、デル(同14.5%)、シスコ・システムズ(同4.5%)と続き、オラクルは5位の4.1%だった。

 一方、エンジニアード・システムとほぼ同じものを指す統合システムとプラットフォーム市場の世界市場占有率では、オラクルは3位の13%だった。

 同市場では、シスコ(Cisco Systems)とストレージ・ソフトウェア開発のネットアップ(NetApp)の合弁会社が2位で15%、同じくシスコとVMウェア(VMware)、EMCの合弁会社が1位で17%だった。

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