価格をネット他店と同じに〜ウォルマート、年末商戦で実施も

 小売り大手ウォルマート・ストアズは、年末商戦に向けて商品価格をアマゾンなどオンライン小売り他社の安売り価格に合わせる「プライスマッチング」を試験的に実施している。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同社はすでに地方の実店舗の同業に対抗してこのサービスを導入しているが、経営陣はオンラインを含む大手同業を念頭にサービスを拡大することを検討中で、すでにいくつかの実店舗で一部のオンライン価格に対抗したという。事情を知る関係者によると、ウォルマートが本格実施を迷っている理由はコストの問題。

 ベストバイやターゲットのような同業は、消費者が実店舗で商品を確認して実際の購入は安い販売ウェブサイトで行ういわゆる「ショールーミング」を避けるためにプライスマッチングを提供している。ウォルマートはこれまで導入してこなかったが、客足や「いつも低価格」という評判を取り戻すために検討を始めた。

 コンサルティング会社カンター・リテイルによる2014年6月のバスケット価格調査によると、ウォルマートはターゲットよりわずか1.2%しか安くなく、その差は12年以降では最小で、価格を強調した集客が難しくなっている。

 ただし、同社もオンライン部門ではアマゾンと積極的に競争しており、ウェルズ・ファーゴと360piの共同調査によると、2月までの3カ月の価格は両社同水準で、8月はウォルマートの方がアマゾンより10%近くも安かった。

 プライスマッチは、コストはかかるが店の評価を高める可能性もある。ジャニー・モンゴメリー・スコットのアナリストは「アマゾンなどのオンライン小売店に本気で対抗していることを示すため、最終的には賢明な動き」と見ている。

 全米小売業協会(NRF)によると、米消費者は今年のホリデーショッピングの44%以上をオンラインで行う予定で、09年の31%から大幅に増加する見込み。

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