グーグルとスカイプ、通訳技術で競争激化 〜 プライバシー保護が今後の課題

 グーグル(Google)とマイクロソフト(Microsoft)は、複数言語間における会話や音声のリアルタイム通訳技術で競争を激化させつつある。

 スラッシュ・ギア誌によると、マイクロソフト傘下のスカイプ(Skype)は2014年末に、二人が二つの言語でかわす会話をリアルタイムで通訳するトランスレイター(Translator)の試用版を発表している。

 同機能は現時点では英語とスペイン語のあいだだけに対応するが、近い将来に対象言語が増えることは確実だ。

 一方、グーグルのグーグル・トランスレイト(Google Translate)は90言語以上にすでに対応している。翻訳精度に課題はあるが、今後も向上し続けることは間違いない。

 話し言葉のリアルタイム通訳システムは複雑で、システムの継続的学習や、機械学習という人工知能分野の進化を必要とする。また、それにともななって大量のデータを瞬時に解析するデータ技術も欠かせない。

 そのため、精度を高めるためのデータ保存を必要とし、会話内容が通訳および翻訳のための解析材料として蓄積されるというプライバシー問題もある。

 グーグルもマイクロソフトも、そういったデータは匿名で扱われるためプライバシーを侵害しないと強調している。

 スカイプの場合、米安全保障局(NSA)でさえも理解できないほど、会話は複数ファイルに分解され、その内容と人物に関連性のない状態で保存される、と説明している。

 グーグルの場合は、通訳および翻訳や生体認証用の声を利用者の実際の声や性別とは違う状態にして保存することで、プライバシー保護を徹底する点を強調している。

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