富士通とマイクロソフトが共同開発 〜 大規模データ活用で製造業務を効率化

 富士通とマイクロソフト(Microsoft)は、モノのインターネット(IoT=Internet of Things)技術を活用した製造業向けソリューションの開発で提携した。

 発表資料によると、両社の共同開発は、ウィンドウズ8.1プロ(Windows 8.1 Pro)を搭載した富士通製の機器と、マイクロソフトのクラウド製品であるアジュール(Azure)を活用した富士通のクラウド・サービス「A5・フォー・マイクロソフト・アジュール(A5 for Microsoft Azure)」、さらに富士通のIoTプラットフォームを使って行われる。

 両社は、今回の発表にさきがけて、両社製品の検証にすでに着手している。両社はその最初の試みとして、福島県会津若松市にある富士通グループの工場で、富士通の「環境経営ダッシュボード」、IoTプラットフォーム、クラウド・サービス、さらにウィンドウズ搭載タブレットを活用して、管理者や技術者向けに製品品質の向上やシステム統合、機能性を向上させる検証を行った。

 同工場では、半導体製造向けクリーン・ルームの一部を植物工場に転用して「会津若松秋彩(あきさい)やさい工場」と呼び、ITを活用してレタスを栽培している。

 次のステップとして、富士通では、IoTやマシン・トゥ・マシン(M2M)技術を活用した環境経営ダッシュボードを導入して、品質向上や機能性向上、生産性向上を目指していく。

 具体的には、散在するさまざまのデータをクラウド上にまとめて分析にかけ、業務過程の効率や設備の性能を管理することで、全体的な効率化と省エネルギーを図る。

 同プラットフォームは農業だけでなく製造業の工程効率化に応用できる、と2社は説明している。

 「富士通が提供する『環境経営ダッシュボード』、IoTプラットフォーム、および 『A5・フォー・マイクロソフト・アジュール』を活用することによって、製造現場で得られる大規模データ(big data)の解析結果をリアルタイムで見えるようにし、製造過程全体の効率化や経営の迅速な意思決定に寄与します」と、富士通の阪井洋之執行役員常務は述べている。

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