代替エネ技術への投資が減少〜グリーンな世界の構築遠のく

 再生可能エネルギー関連の技術革新が停滞し、投資家の関心も薄れており、このままではクリーン・エネルギー社会の到来が遅れるとの懸念が浮上している。

 オイルプライス・コムによると、英大手紙ガーディアンはこのほど、再生可能エネルギー関連の世界的な特許申請数が2012〜14年に3万5590件から2万655件と大幅に落ち込んだと報じた。特許申請は技術革新の目安にされることが多く、件数の減少はクリーン・エネルギーの新しい生産方法の開発がより困難になっていることを意味する可能性がある。

 イノベーションの減速の背景には、特許申請の約3分の2を占めるソーラー市場の変化がある。ソーラー・パネルは中国製品の供給過多で利益率が落ち込み、研究・開発が劇的に減少している。また欧州では、緊縮思考の広まりで再生可能エネルギーに対する支援が縮小または停止されている。

 一方、大手投資家のエネルギー関連投資に変化が表れており、最近はプライベート・エクイティ・ファンドの多くが石油市場に関心を示している。これらの投資家は、化石燃料、特に石油が今後何十年にもわたって重要なエネルギー源であり続けると確信しているように見える。

 クリーン・エネルギーは、画期的な技術的改善がなければ本格普及にさらに数十年を要する可能性が高まっている。収益性が大きく改善されない限り既存のエネルギー利用の仕組みを変える意味はなく、今の環境対応技術では将来的にも化石燃料に対する大幅なコスト削減効果が見込めない可能性がある。

 エネルギー革命の減速傾向は、最も大きな刷新が金融面からもたらされた点を見ても明らかで、確かにリース販売の登場でソーラー・パネルの導入は劇的に楽になったが、資金調達が簡単になっただけでは世界をよりグリーンにすることはできない。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、気候変動危機を回避するには、世界が年に1兆ドルをグリーン・エネルギーに投資する必要があるが、14年の投資額は2700億ドルにとどまっている。

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