海上に浮かぶデータ・センター 〜 新興企業がサンフランシスコで建設中
- 2015年8月3日
- ハイテク情報
データ・センター・コーロケーション・サービスの新興企業ノーチラス・データ・テクノロジーズ(Nautilus Data Technologies)は、サンフランシスコから北東20マイルの米国海軍造船所で水上浮遊式データ・センターを建設している。
同社は今後、安全面で優れた軍施設を中心に数を増やし、既存のデータ・センターに比べて安価の不動産コストや優れた安全性、独自の省エネルギー技術を強みに、競争力のある価格でサービス提供を強化する計画だ。
データ・センター・ノーレッジ誌によると、ノーチラスのアーノルド・マグケール共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は、浮遊式データ・センターの特徴として、火事や地震に強く、緊急時には簡単に移動できると説明する。
同社は、海水を利用する冷却システムの特許を申請中で、機械学習技術を活用し効率最適化を図るクラウド・オーケストレーション・プラットフォームとデータ・センター基幹施設管理ソフトウェアも独自に開発中だ。
独自の冷却システムは、データ・センター・ラックを網羅するクローズド冷却ループでIT機器の熱を集め、海水に放出するというもの。冷却塔や冷却機が不要のため非常に高い効率を実現できる、と同社は強調する。
もう一つの特徴は、データ・センターを迅速に構築できる点だ。ノーチラスは、8MW能力の浮遊施設を6ヵ月で完成できるとみている。
同社は当面、浮遊施設を5隻建設する計画だ。いずれの浮遊施設も稼働中は港に停泊し、陸地から電力と通信網接続を調達する。
マグケールCEOは、一隻目の浮遊施設のコストを1MWあたり約300万ドルと話している。
ノーチラスは、小売向けコーロケーションと卸向けデータ・センターの顧客を中心にまずは需要を開拓する。
同社では、将来には主要電源として燃料電池を使うことも検討中だ。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる