IBMの元幹部、法人向けAI企業を立ち上げ 〜 業務過程の深い理解を武器に
- 2016年3月15日
- アメリカ発ニュース
人工知能(AI)技術は最近、アップル(Apple)やアマゾン(Amazon)、グーグル(Google)が提供する仮想執事(ヴァーチャル・パーソナル・アシスタント)のように消費者向けには普及しているが、法人向けにはそれほど実用化されていない。
コンピュータワールドによると、IBMの人工知能ワトソン(Watson)事業部で世界事業責任者を最近まで務めたスティーブン・プラット氏は、それを変えようとしている。
同職を辞めたプラット氏は14日、人工知能技術を法人向けに応用しようと狙う新興企業ヌードル・アナリティクス(Noodle Analytics)を立ち上げたことを公表した。
ヌードル・アナリティクスは、プラット氏のほかGEデジタルやインフォシス、マイクロストラテジーの幹部らと共同設立された。
「法人向け人工知能会社」と同氏がみずから銘打つヌードル・アナリティクスは、人工知能が法人向け技術市場でこれから大いに台頭するという期待と予想のもと、たとえば供給網の最適化といった業務過程効率化に人工知能を役立たせることを目指す。
「人工知能は向こう3〜5年のうちに、企業が競合社と差別化するのにもっとも重要な技術になる、と私は考えている」「企業はこれから、顧客とのやり取りや事業運営上の過程で数十数百という人工知能アルゴリズムを使って意思決定を下すようになる」とプラット氏は話している。
また、企業の業務過程に関する非常に深い理解と洞察を認識することで人工知能を効果的に応用できるようにすることが、ほかの人工知能会社との違いだ、とプラット氏は同社の強みについて説明した。
「大規模データ(big data)をアルゴリズムで分析して洞察を抽出し助言することはどの人工知能会社でもやっている」「しかし、非常に強力な人工知能アルゴリズムを機能させるには、利用側の仕事や事業、その詳しい過程に関する深い理解を必要とする」「そういった人工知能会社はまだない」。
同氏は、供給網管理や顧客関係管理(CRM)といった業務過程をきわめて深い水準で人工知能に教え、かつ人工知能から学び、「(利用企業と人工知能のあいだの)触媒になることで利用企業の業務を支援できる」と話す。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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