帰化の要件:“Good Moral Character”
(道徳的な人格)パート1

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

 帰化の要件の一つに、道徳的な人格者“Good Moral Character”(略して“GMC”)というものがあります。GMCは帰化する申請者が居住する地域社会の平均的市民の道徳的基準を満たしていることを意味します。一般的に、申請者は申請する前から帰化の忠誠を宣誓する時まで、継続して道徳的人格の基準を満たしていなければなりません。

 申請者のGMCは、移民局がケースバイケースで判断します。犯罪行為や不法行為により、申請者がGMCを欠いていると判断されることもあります。特定の犯罪行為歴がある申請者に関しては、自動的にGMCでないとし、強制送還の対象とされてしまうこともあります。移民局は、申請者のこれまでの記録、帰化申請で提供される記述、そして面接時での口頭での証言などを考慮し、GMCの判断を行います。また、逮捕記録や有罪判決記録の有無に関係なく、申請者が居住する地域社会の道徳基準に反するいかなる行為や行動も判断の対象となりますので、注意しましょう。

 一般的に、申請者は帰化申請日から遡り5年間はGMCを満たしている必要があります。一定のアメリカ市民の配偶者に関しては、申請から遡り3年間、また、特定の退役した軍人は軍事条項に基づいて申請から遡り1年から5年の間、継続してGMCを満たしていなければなりません。いずれの場合においても、申請者は、帰化される時まで、道徳的な人格者であり続けていることを示す必要があります。
 
申請者のGMCを判断する際には次の要素が考慮されます。 
・ 家族の絆や背景
・ 犯罪歴の有無
・ 学歴
・ 職歴
 
その他の遵法行動(税金を納めている、金融債務を満たしているなど)
・ コミュニティー活動への参加
・ 申請者の信頼性
・ 保護観察・執行猶予の遵守
・ 米国での滞在期間
 
 犯罪や逮捕によって「有罪判決」とされた場合は、GMC要件の認定を妨げることになります。移民法での「有罪判決」とは、裁判所によって有罪とされた正式な判断を意味します。申請者が逮捕された場合、その逮捕の結果が判決をもたらしたものか、必ずしも明確ではない場合もあります。多くの州で、判決の影響を減少させるための規定や州法がありますし、一部の州では、逮捕された者が公判前にダイバージョンプログラム(転換措置)に参加することにより、通常の刑事手続きから除外されることもあります。また、カウンセリングや治療プログラムに入り、刑事訴追を回避できることもあります。よって告発された者が、公判前にそのような介入プログラムへの参加を指示され、さらに罪の容認や有罪判決がない場合は、移民プロセスにおいて「有罪判決」とみなされない場合もあります。
 
*本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な方は、専門家に相談してください。

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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