「レストランで食べて写真を投稿」
インスタグラムがお仕事になっちゃった

 レストランで食べた物を画像共有アプリ「インスタグラム」で公開する「フード・インスタグラマー」(food Instagrammers)が増え、職業にする人も現れた。
 11月17日付のウォールストリート・ジャーナルの記事(“Food Instagrammers Turn Their Accounts Into Professions”)によると、質の高い写真でレストランを紹介し10万人以上のフォロワーを持つプロのインスタグラマーが生まれ、レストラン側も、画像1枚当たり最高350ドルを支払う、無料で食事に招待する、などして投稿写真を活用している。
 レストラン広報会社LFBメディア・グループのメディア戦略責任者は「インスタグラムのフィードを見てどこに食べに行くかを決める人々がいる。サービス業界として無視できない」と話す。
 成功するインスタグラマーは1日に最低1回は投稿する。グルテンフリーやブランチといった特殊分野に対象を絞っていることが多く、フォロワーに写真投稿を勧めることもある。
 魅力ある写真であることは不可欠で、多くは上から撮影した芸術的な画像と、溶けているアイスクリームや卵の黄身が流れる様子など食欲をそそる画像のバランスをうまく取っている。
 プロのインスタグラマーは、独立と迎合、あるいは記事と広報の中間に身を置いている。どこで線を引くかは各個人やウェブサイトで異なり、レストランからの支払いや食事の招待は断る、招待は受けるが自分で支払った店しか投稿しない、などさまざまだが、フォロワーに説明している例は少ない。
 42万4000人のフォロワーを持つレストラン・リビュー・サイト「インファチュエーション(Infatuation)」の場合、クレジットカード会社などが活動のスポンサーとなることはあるが、レストランのリビューのために支払いや無料招待といった見返りを受けることはしない。
 音楽業界の仕事を辞めて同サイトの運営に専念するアンドリュー・スタインソールさん(35)は「ユーザーは私たちを信用し、私たちの見解を信頼してアクセスしている。食事の招待はそれを台無しにするため受けるわけにはいかない」と話す。
 一方、ニューヨークなどのグルテンフリー店を専門に「@nobread」で紹介し、インスタグラムで4万5000人以上のフォロワーを持つニコル・コーガンさん(26)は、無料の食事に招待された店だけを対象にする。昨年金融関係の仕事を辞めたコーガンさんは、自身をレストランのパートナーと認識。否定的なリビューや写真は掲載しない。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る