米国でのオーバーステイがもたらす処分について

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

 外国人が滞在許可の有効期限が切れて、そのままアメリカに滞在すると不法滞在(オーバーステイ)となります。その場合、その後起こりうる事態を十分理解し、早めに対処することが大切です。今回は4つの主な事態を説明します。

1. 入国禁止
 3年間:滞在許可の有効期限後、アメリカに180日以上1年未満、オーバーステイをしたが、国外追放の処分を受ける前に、自らアメリカを発った場合には、退去日から3年間は、再入国が禁止されます。

 10年間:滞在許可の有効期限後、アメリカに1年間以上のオーバーステイをし、国外追放の処分を受ける前に、自らアメリカを発った場合、退去日から10年間は、再入国が禁止されます。

2. 滞在の延長、ステータス変更が不可
 滞在許可の有効期限が1日でも切れると、滞在延長や他の非移民ステータスへの変更ができなくなります。また大抵の場合、非移民のステータスから永住者となるための手続きをアメリカ国内で済ませることも不可能となります。

 しかし、米国市民権・移民業務局によると、滞在許可の有効期限が切れる前に、それらの申請を提出していれば、その申請結果がI-94の有効期限後に出たとしても、それまでは合法滞在と見なされ、3年・10年の再入国禁止の処分は受けません。

 •  ステータス変更や永住権申請が拒否された場合、3年・10年の処分の対象にはなりませんが、その後アメリカ国内でステータス変更を行うことができない可能性があります。

3. ビザの無効化
 オーバーステイすると、現在所持しているビザは自動的に無効となります。移民局はこの条項の解釈と遂行をとても厳しく行っています。つまり1日のオーバーステイだけでも、現在所持しているビザは無効となり、そのビザでの再入国は不可能となります。アメリカに入国する為には自国大使館で、ビザを取り直すことになります。

4. 自国の大使館のみでしか新しいビザの申請ができなくなる
 オーバーステイをした外国人は、自国に戻り新たにビザを取得せねばなりません。アメリカにより近い大使館や自身の都合の良い大使館で申請をすることはできません。もし自国にビザを発行している大使館がない場合は、アメリカ合衆国国務省長官が指定する国に行き、ビザを申請します。

 しかし稀に例外があり、もし自国の大使館でビザの申請ができない「特別な事情」(extraordinary circumstances)を証明できれば、自国以外の大使館でビザの申請を許可されることがあります。その場合、大使館での予約やビザの申請前に、自国以外の大使館から許可を受ける必要があります。

 オーバーステイすると、深刻な法律問題が出てきます。ビザの有効期限が迫って自国へ帰ることができない、または出国できないことが予想される場合は、弁護士に相談することにより、その問題を少しでも緩和できるかもしれません。時間に余裕を持って弁護士と相談することで、より多くの選択肢を見つけることができるでしょう。

*本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な場合は、専門家に相談してください。

 

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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