ロサンゼルスの元敬老ホームのその後
「高齢者を守る会」報告会を開催

 

センチュリーシティでの抗議活動の模様(写真提供:ジョン金井さん)

1月22日、ロサンゼルス市内の日米文化会館で、「高齢者を守る会」の2016年の報告会が、同会理事のジョン金井さんによって開催された。「高齢者を守る会」は旧「敬老を守る会」。ロサンゼルス市内とガーデナ市内の敬老が経営していた高齢者向けの4施設がパシフィカ社に売却された後、同会は名称を変え、施設をコミュニティに戻すための活動を継続させている。

金井さんが問題として指摘したのは、1961年、ロサンゼルスの日系コミュニティのリーダー8人によって創設された敬老が、潤沢な資金がありながらも「経営が困難」との理由で2016年の2月に不動産会社のパシフィカに売却され、その利益3700万ドルが、施設経営から離れて高齢者向けの健康セミナー運営を行う敬老サービスに渡っているという点。加えて売却以前の純資産は3600万ドルもあった(売却益と合わせた資産は7300万ドル)。しかも、募金活動は継続されており、一般の人々が「高齢者施設に寄付」したつもりのお金が実際はセミナー運営の敬老サービスに流れる仕組みになっている。4軒の高齢者施設は現名称をサクラガーデンと敬愛に変えている。

敬老サービスは売却前に長年CEOを務めたショーン三宅さんが引退した後、10人の理事によって運営されている。しかし、同サービスは年に4回の健康セミナーを実施する以外、積極的な活動は行わず、ビジョンも見えてこない。さらに高齢者施設のオーナーとなったパシフィカ社は、向こう5年は買収前と同様のサービスを提供すると約束しながら、すでに職員の医療保険を変更し、バイリンガルの看護師が続々と退職。施設のサービスレベルは著しく低下している。

 

報告会での金井さん(左)と入江健二医師

 

7300万ドルを取り戻す

去る11月には、「高齢者を守る会」が敬老サービスの暫定CEO、ジーン金森さんらとミーティングを持ち、次の4点を要請した。

①日系高齢者のための新しい施設の建設。敬老サービスが現在所有する7300万ドルを高齢者のために使ってほしい。
②サクラガーデンへの入居者への経済的援助。例年2、3%だった家賃の上昇率を2017年は5%にしたため。
③ナーシングホームや中間看護施設の入居者への経済的援助。怪我や病気で施設を離れて入院が必要になった際には施設のベッドを確保するのに、1日200数10ドルかかるため(売却前には無料だった)
④施設職員への医療保険に関する経済的援助。売却前は職員の家族の保険もカバーしていたが、現在は職員本人のみ。これにより退職者が大勢出た。

しかし、金井さんによると、上記リクエストに対する敬老サービスからの答えはすべてがノーだった。さらに日系社会に向けて、敬老サービスの理事が出席した共同記者会見を開きたいと提案したが、2カ月以上経過した時点で返答がない状況だ。

報告会に続き「高齢者を守る会」は、1月27日、5年間は現状維持で経営するという約束を破ったパシフィカ社に対し、センチュリーシティの同社が所有するマリオットホテルの前でデモンストレーションを実施した。60人が集まり、サクラガーデン(旧敬老引退者ホーム)のレント値上げ反対を訴えた。金井さんは「11時の開始予定だったが、皆さんの強い心意気のあらわれか、10時半には続々と人が集まり始めた。パシフィカ社はすでに5%のレント値上げを発表した。これを黙って受け入れれば、来年も5%、次も5%、そしてその次も5%上昇ということになりかねない。これだけは防がなければならない。日系コミュニティは恐れるに足りない、扱いやすいと思われるのは避けなければならない」と語っている。

今後は、敬老サービスがオフィスを構えるリトルトーキョーのビル前でのデモを実施予定だ。金井さんのブログではより詳細なレポートを読むことができる。

■金井さんのブログ「拝啓ショーン三宅殿」
johnkanai.blogspot.com
■ 旧「敬老を守る会」のウェブサイト
jp.savekeiro.org
■「高齢者を守る会」のウェブサイト
koreishasca.org

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