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レストランで働く人がいない!
低賃金、長時間労働が嫌われる
- 2015年9月20日
ニューヨーク、シカゴ、シアトル、サンフランシスコなど、全米各地のレストランが人手不足に悲鳴を上げている。
ワシントン・ポスト(8月12日付)によると、長時間労働、低賃金などさまざまな要因により、レストランで働く仕事を希望する人が減った。多くのレストランが慢性的な人手不足に悩まされている。
特に大都市では、家賃が高すぎて、職場の近くにシェフが住めない、という現実がある。たとえばニューヨークの場合、平均的なシェフの給与は時給10~12ドルだが、家賃の平均は1200ドルで、市内に住むのはほぼ不可能だ。
職場から離れた場所に住むと、ディナーのシフトになれば帰宅は真夜中になってしまう。調理学校を卒業した人は、卒業時に多額の学生ローンを抱えていることが多い。
レストラン業界は、売り上げそのものがそれほど多くない。全米レストラン協会によれば、中級レストラン(客の支払い総額の平均が25ドル以上)の平均利益幅は、わずか4.5%だという。一部の有名シェフやレストランは存在するが、彼らはむしろ例外だ。また、有名になるほど、シェフはテレビ契約や書籍出版など、レストラン以外からの収入の多くを得るようにもなる。
料理番組などを見てシェフに憧れて業界に入ってきた若者たちが、現実とのギャップに打ちのめされて、辞めていっている、という。
働き者で才能あるシェフが多いメキシコからの移民が減少していることも、人手不足に大きく影響している。移民に大きく依存してきたレストラン業界にとっては大打撃だ。
労働統計局は2010年、レストラン業界の約1270万人の従業員のうち、140万人が合法または不法移民だと推測している。ピュー・ヒスパニック・センターの2008年の見積もりによれば、230万人のシェフおよびコックの約20%が不法移民だという。
人手不足にも関わらず、新たなレストランは次々オープンしており、問題をさらに加速させている。シカゴ・トリビューンが8月初めに掲載した記事によると、レストランの軒数は、10年前と比べ25%も増えている。
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