パフォーマーを規制すべきか?

「ホコ天」全米各地で議論

times-square

 キャラクターやヒーローに扮して、写真を撮る観光客にチップを要求。僧侶のふりをしてお布施をせびる。どちらも、ニューヨークのタイムズスクエアの日常的な光景だ。
 
最近は、ボディーペイントを施しただけの半裸の女性パフォーマーが加わり、「カメラ小僧」が群がるように。「公序良俗に反するのでは」という議論が起こり、 ビル・デブラジオ市長は、歩行者天国の廃止を含めた規制をちらつかせている。8月には、「規制は行き過ぎだ」「女性も裸になる権利がある」と、女性たちが デモ行進をした。
 ニューヨーク・タイムズ(8月23日付)によると、タイムズスクエアが歩行者天国になったのは、2009年。当時のブルームバーグ市長が、南北に走るブロードウエーを車両通行禁止にした。以来、周辺の道路は舗装し直され、「ショッピングモール」と化して、市民や観光客の憩いの場になった。
 
歩行者天国の問題に悩んでいるのは、ニューヨークだけではない。
 
1960~70年代にかけて、全米各地で、郊外に歩行者天国を取り入れたショッピングモールが誕生した。車を締め出せば、都会の中心部に奪われた客足を取り戻せるのではないかと考えたからだ。
 
しかし結局、その多くが「ストリートはストリートとして機能させるべきだ」という結論に至った。
 
ロングアイランドのフリーポートビレッジは、86年、歩行者天国をやめて車両通行を再開させた。
 
シカゴでは、79年に、ステート・ストリートに1マイルに及ぶ歩行者天国ができた。しかし期待された復興は起きず、かえって車の乗り入れを禁止したために活気がなくなった。90年代半ばに車の乗り入れを再開し、ダウンタウンの住民の利用が増えて活気が戻ったという。
 
一方で、今も歩行者天国を続けて成功している都市もある。
 
ミネアポリスは、築47年のニコレット・モールを5000万ドルかけて改装中だ。ニコレット・アベニューの12ブロックを、バス以外の車両の通行禁止地区にする。ミネアポリスではダウンタウンの人口が増えており、これが追い風になると市は見積もっている。


この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

この著者の最新の記事

関連記事

資格の学校TAC
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. こどもの進学の資金集め、老後の生活など、さまざまな理由で資産運用を始めたい人のために、アメ...
  2. パンデミックの終焉とともに、今年の春以降、各国間の交流が再開した。そして私は5月、日本の某学校法人...
  3. フロリダ、パームビーチで 石川啄木の短歌は胸に沁みる。「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの...
  4. イヌワシやハヤブサなど、絶滅の危機に瀕している生物も多数生息するダイナソール州立公園 アルバ...
  5. プロベート(検認手続き)とは 長くアメリカに住んでいる方にもあまりよく知られていませ...
  6. 2023年 ヘルスケアのトレンド コロナウイルス感染症による長いパンデミックを経て生...
  7. 突然のパートナーの海外赴任辞令・・・ 日本での職を離れ帯同したものの、アメリカでも働き続け...
  8. 2023年6月9日

    バトンを持って走る
    フラワードレス 昨年から今年初めにかけて、我々世代のオピニオンリーダーや、アイドル的存在だっ...
ページ上部へ戻る