フードトラック対レストラン
ノース・カンザスシティーで対立

foodtruck

 路上で営業するフードトラックに客をとられ、不満をもつ周辺のレストランが行政に苦情を申し立て、規制を強化する——。ロサンゼルスやニューヨークで数年前に激化した対立が、比較的小さな都市にも広がっている。
 人口4300人の、ミズーリ州ノース・カンザスシティーは、フードトラックの認可をめぐって揺れている。
 ニューヨーク・タイムズ(8月31日付)によると、ノース・カンザスシティーには、ロサンゼルスのマリブにも似たおしゃれな外観の住宅や、貝殻の形をしたモダンなパフォーミング・アーツ・センターなどがあり、中西部ではトレンディーで進歩的な街として知られる。
 最近、フードトラックも増え始めた。昨年10月に市から許可を受けて、市内の公園で実験的にランチ営業を始めたキューバ料理のフードトラックも、その一つだ。しかし、周辺のレストランの経営者たちが苦情を申し立てた。
 市議会で8人の議員による投票が行われるが、フードトラックの実験営業は終了する可能性が高い。
 ノース・カンザスシティーは約4平方マイルの小さな街だ。1世紀以上前に、工業地帯としてミズーリ川沿いにできた。今でも、倉庫や工業施設が街の大半を占める。しかし、カジノやヘルスケア大手の企業もあり、2万5000人が働いている。
 一方、同州カンザスシティーは、その75倍の大きさで、人口も100倍近い。開発が進み、人口も増えて、活気がある。
 ノース・カンザスシティーは、都会のかっこよさを追い求める一方で、小さな街ならではのよさも守りたい、というジレンマに直面している。
 レストランの経営者たちは、税金や寄付でコミュニティーに貢献してきたという自負があり、フードトラックは何もしていないと感じている。
 トラックを支持する人たちは、フードトラックはすでに社会の一部で、仮に近隣のレストランからじゃっかん売り上げが失われたとしても、相対的に公園に人が多く集まるようになれば、全体では売り上げが伸びるはずだと主張する。
 公園の近くにある高校の生徒たちは、ランチの選択肢が増えるからとトラックを歓迎している。
 市議会は、金曜日だけトラックの営業を許可してはどうか、など、両者の歩み寄りを模索している。

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