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フニペロ・セラの「聖人化」に怒り?
「先住民の虐殺者」銅像に落書き
- 2015年10月22日
- 2015年11月5日号掲載

Photo @ David Ohmer
9月末に初めてアメリカを訪れたローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は、各地で大きな歓迎を受けた。しかし訪米に合わせて、フニペロ・セラ神父(Junipero Serra)を「列聖」(聖人に加えること)し、儀式を行ったことが、一部の人の怒りを買った。
9月30日付ニューヨーク・タイムズの記事(“Sainthood of Junípero Serra Reopens Wounds of Colonialism in California”)によると、9月25日の朝、カリフォルニアにあるセラ神父ゆかりのカーメル・ミッション(伝道所)で、セラの銅像が倒され、ペンキがぶちまけられているのが見つかった。「この男は虐殺の首謀者だ。欲深いことは罪だ」と書かれた紙が貼られていた。
セラは、1713年にスペインのマヨルカ島で生まれた。宣教師として1768年にカリフォルニアに渡り、スペインのアメリカ植民政策の重要な役割を担った。カリフォルニアに建立された21のミッションのうち、2番目となるカーメル・ミッションを設立したことが大きな功績だ。
しかし、セラと植民政府は、アメリカ先住民にキリスト教改宗を押しつけ、洗礼を受けさせ、虐待や奴隷労働を強いた。先住民にとっては、虐殺者、征服者だ。
フランシスコ法王は、こうした批判を知っており、夏にボリビアを訪問したときには、「カトリックがアメリカを武力征服したときに地元住民に対して行った犯罪行為を詫びる」と述べている。
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