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子供の人工膵臓を手作り
糖尿病管理で親、市販品待てず
- 2016年7月3日
- 2016年7月号掲載
糖尿病患者の生活を少しでも楽にするために、自家製ツールを作る人が増えている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、カリフォルニア州サンディエゴに住む小学3年生のアンドリュー・カラブリース君は体がインスリンを作れない1型糖尿病で、常に教科書とともに人工膵臓(すいぞう)が入ったバックパックを背負っている。この人工膵臓は市販されておらず、ソフトウェア・エンジニアである父親ジェイソンさん(41)の手作り。自作するための公開情報を集めたウェブサイト「オープンAPS(https://openaps.org)」を頼りにした。人工膵臓は皮下センサーで5分おきにアンドリュー君の血糖値を計測し、必要な量のインスリンをポンプから補給する。すべて親の責任で作ったが、学校に持っていくことに関しては医師の承諾を得ている。
自分や家族のために材料を購入したりコードを書いたりして人工膵臓を作っている人は50人を超える。業界でクローズド・ループ・システムとも呼ばれる人工膵臓は、何十年も前から研究が続いているが、センサー技術の向上で最近ようやく血糖値の常時計測が可能になった。いくつかの企業はすでにこうした装置の開発に取り組んでいる。しかし商品の開発や食品医薬品局(FDA)の認可には何年もかかるため、技術と知識を持った一部の人々は市販を待てずに自分で作っている。
FDAには医師や患者が手製の装置を使うことに関しては何の権限もなく、それを販売または配布しない限り自家製インスリン・ポンプの使用を止める力はない。
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